導入事例

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岡崎市民会館 公式サイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
一般社団法人 西東京市伝統文化育成会 公式サイト - MovableType.net 導入事例
画家 小高朋恵 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社フラワー不動産 ウェブサイト- Movable Type クラウド版導入事例
浅野肖像画工房 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社ヨシダ工業「Glanz(グランツ)」ウェブサイト- Movable Type 導入事例

日本マクドナルド「ピタマックカーブログ」がMovable Typeを使う理由

日本マクドナルド株式会社様
小さなピタマックカーがたった1台で全国をまわる。「ピタマックカー、頑張って」という雰囲気を醸成したかった。その舞台として、ブログが一番、ピタマックカーの現状・臨場感を伝えられるツールでした。

「今日は『彼』が本社に帰ってくる日なんです」

 取材日は8月3日。翌日に新商品の発売を控えた日本マクドナルド株式会社マーケティング本部・マーケティングPR部部長の片岡英彦さんは笑顔で語る。「彼」とは、実は人ではない。2006年8月4日(金)より発売されるマクドナルドの新商品『ピタマック』の調理キットを車内に搭載し、日本全国でピタマックの試食サービスを提供していた小さなミニバン車「ピタマックカー」のことである。うがった言い方をすれば、たかが車を「彼」と呼ぶのはいささか大げさな話だ。しかしながら、そこには理由があった。

スタッフの「伝えたい」気持ちをブログに乗せる

2006年7月20日に、前述のピタマックカーの動向を日々レポートする「ピタマックカーブログ」がオープンした。「ピタ」とは袋状になっていて、平たいものしか挟めないハンバーガーと違い何でも挟める、いわば革新的なパンだ。ただし、ピタそのものの認知度が低いという問題があったという。

「発売後はテレビCMの展開が決まっていたので、その前段階としてピタの良さ、おもしろさを広く知ってもらうにはどうすべきか考えました。そのときに『発売日まで、日本全国でピタマックの試食会を実施し、その模様をブログでレポートしよう』というアイデアが浮かびました。ブログであれば、ピタの紹介だけにとどまらず、スタッフの『ピタマックを知ってもらいたい』という気持ちの部分も伝わるだろうと思ったのです」(片岡さん)

7月20日、東京お台場でピタマックカーの出発式を行った。その模様はテレビのニュースでも放映され、大きな反響を呼ぶ。ピタマックカーブログに最初に投稿されたエントリーには200件近いコメントが寄せられた。今までマクドナルドにおいては、テレビ広告を中心とするマス・マーケティングが中心。特に、ブログを軸とした、口コミを誘因するマーケティング活動は初の試みだったという。「コメントが200件近く集まったのはうれしかった。きっと『ああ、片岡が期待していたのはこういうことだったんだな』ということが、社内にも伝わったと思います」(片岡さん)

ブログは消費者の共感を呼ぶための舞台

テレビを中心とした広告と比較し、車1台で全国をまわる草の根的な試食サービスは確かに革新的だ。ただ、日本全国に3500を超える店舗を持つマクドナルドのマーケティング手法としては、やや心もとないように思えるのも事実。しかし、そこには意図があったという。

「確かに1台だけでなく、大々的に全国にピタマックカーを何台も配置するという選択肢もありました。ミニバンでなく、もっと目立つトレーラーを使う手もありました。でも、それでは押しつけの宣伝になってしまう。共感を呼ぶことはできません。小さなピタマックカーがたった1台で全国をまわる。そのことに意味があるのです。わかりやすく言えば『ピタマックカー、頑張って』という雰囲気を醸成したかった。その舞台として、ブログが一番、ピタマックカーの現状・臨場感を伝えられるツールでした」(片岡さん)

執筆はピタマックカーを運転している現場スタッフが担当。基本コンセプトの共有は事前に入念に行ったが、細かい原稿チェックはせず、書く内容についてはスタッフに任せているという。福岡県に訪れた際、雨に打たれて苦労した話もそのまま掲載されており、リアル感は非常に強い。そしていつしか、ピタマックカーに人格が生まれたかのように感じるようになったそうだ。片岡さんは苦笑いしながら語る。「なんだか、私まで感情移入してしまって。現地視察に行って『彼』に汚れたところがあったりするとつい、拭いてあげちゃったりするんです(笑)」

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福岡県での悪天候の様子は7月25日のエントリーでレポート

「もっと情報をどんどん出したい」をブログで実現

企業がブログを展開する際、批判的な書き込みなどを懸念して、コメントやトラックバックといったコミュニケーション機能を閉じてしまうことも多々あるが、ピタマックカーブログは両方とも開放している。マクドナルドにとって初の試みとなるブログで、このことに対する不安はなかったのだろうか。

「実は、私はまだマクドナルドに入社して3ヶ月目で、いわば客観的に社内を見られる状態なんです。商品やサービスに後ろめたさがあれば、確かにブログのコメント機能などはリスク要因ともなるでしょう。でも入社してみたら品質管理もしっかりしているし、食材もいいものを使っていて、私が考えていた一般的な『ファストフード』のイメージとだいぶ違うことに気付きました。だから『この会社は、もっと情報をどんどん出していけばいいじゃないか』と素直に思ったんです。ブログなら、普通のコーポレートサイトでは載せないようなコンテンツも違和感なく発信できる。もちろん、コメントやトラックバックを開放することに対しても、最初から迷いはありませんでした」(片岡さん)

日本全国を文字通り駆け回ったピタマックカーは8月3日で「仕事納め」となった。取材後、ちょうど計ったかのように、ピタマックカーが2週間の仕事を終え、本社ビルの下に着いたと連絡が入る。「これから、ピタマックカーで都内を走ってきます。お別れドライブです(笑)」(片岡さん)。2週間、「彼」の毎日をピタマックカーブログで見守るのは、きっと親心にも似た気持ちだったろう。

ピタマックカーの旅は終了したが、「ピタマックカーブログ」は反響の大きさもあり、このまましばらく閲覧可能な状態で残しておくという。同社のブログ・マーケティングの次なる一手を、期待とともに待ちたい。

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取材当日、ちょうど2週間の旅を終えて本社に戻ってきたピタマックカーと、日本マクドナルド(株)マーケティング本部・マーケティングPR部部長の片岡英彦さん

ピタマックカーブログの事例データ
・Movable Type 3.3 通常ライセンス(ライセンスパック)
・サイトを公開したのは:2006年7月20日
・はじめた理由:ピタマック(新商品)発売前の商品認知度および購買意欲の向上
・制作を担当したのは:電通/電通テック
・何か手ごたえはありましたか?:札幌にピタマックカーが到着したとき、ちょうど私も現地にいたのですが、地元の人に「待ってたよ」と声をかけていただきました。そのリアルな一言がとてもうれしかったですね。(片岡さん)

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