導入事例

デコジャパン株式会社 コーポレートサイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
岡崎市民会館 公式サイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
一般社団法人 西東京市伝統文化育成会 公式サイト - MovableType.net 導入事例
画家 小高朋恵 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社フラワー不動産 ウェブサイト- Movable Type クラウド版導入事例
浅野肖像画工房 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社ヨシダ工業「Glanz(グランツ)」ウェブサイト- Movable Type 導入事例

九谷物産株式会社『和座本舗』がMovable Typeを採用した理由

九谷物産株式会社様
いい物を作っているのに、それを外に表現する方法がないから日の目を見ないのです。このサイトでは、それをなんとか解消していきたいと考えています。

石川県能美市にある和食器カタログ通販の九谷物産株式会社が、Movable Typeを使って九谷焼を専門に扱うショッピングサイト「和座本舗」を開設したのは2005年3月のことだ。

350年の歴史を誇る日本を代表する陶器・陶磁器である九谷焼の最大の魅力である華麗な色彩感覚を存分に強調した重厚なデザインと、洗練されたインターフェイスが評価され、全国イーコマース協議会が選定する『ベストECショップ大賞2006』 で大賞を獲得するなど、各方面から高い評価を受けている。

純粋なECサイトの事例は、まだあまり多くはないMovable Typeではあるが、ウェブマスターである和座代表 西田 上(にした じょう)さんによると、選択肢はMovable Typeしかなかったそうだ。さっそくその理由をうかがってみた。

最初は楽天で

和座本舗」を運営する九谷物産株式会社は、もともとカタログ通販を中心とした無店舗経営。本ブログ開設前にも、2000年3月に「楽天市場」、そのあとすぐに「Yahoo! ストア」というショッピングモールでネットによる通販サイトを運営している。

Movable Typeを使用したECサイト「和座本舗」を開設したのは2005年の3月。まず、西田さんには、ブログツールを使っての新店舗構築を決意した理由について伺った。

「楽天やYahoo! ストアなど、既成のショッピングモールではなく、オリジナルでECサイトを立ち上げた理由は大きくわけて二点あります。一つはショッピングモールが提供するツールの、デザインやレイアウトの制限に対する不満です。どちらのモールにも厳しい文字数、そして容量制限があり、わたしの理想とする店舗を作ることは難しいと感じていました。もう一点はお客様のニーズの多様化です。比較的安価で実用的な食器を探しているユーザーと、どちらかというと芸術品に近い一点物の九谷焼を探しているユーザーに対し、ひとつの店舗で対応するのに無理を感じていました。独自サーバ、独自ドメインを使って多店舗展開をしたいと考えたのです」

なるほど明快な理由だ。では、オリジナルでECサイトを立ち上げるとして、あまり導入事例のないMovable Typeを選んだ決め手はなんだろうか?

「Movable Typeは知人のデザイナーから教えてもらい、数年前から個人的にアフィリエイトブログを運営していました。それに『買い物かご』 を付ければ店舗になるのではないだろうか、という単純な理由です。

もちろん経験上、Movable Typeの運用やカスタマイズの容易さ、そしてSEO効果についてはある程度理解していましたし、サイト構築にあまりコストをかけたくなかったということもあり、ほとんど他のツールとの比較もせずにMovable Type利用を決めてしまいました」

ECサイト構築の仕組み

和座本舗」をひと目見ただけで、このサイトがMovable Typeで構築されていると見抜くことができる人はあまりいないだろう。だが丹念にサイト全体を見ていくと、Movable Typeの様々な機能を効果的に使ってカスタマイズされていることがわかる。

基本構造は商品一個につき一つのエントリーとなっており、それぞれのエントリーの個別ページに大判の写真を使った統一フォーマットで商品の説明、そして、画面右下に商品データと注文ボタンが表示されるようになっている。注文ボタン以下のショッピングカートの部分は「ストアツール」という外部ツールが利用されている。

「ストアツールを採用した理由は、ランニングコストの安さと、文字コードがUTF-8に対応しているという点です。エントリーの本文にツールから生成されたJavaScriptによるソースを挿入し、別途登録した商品コードを入力するだけと運用も簡単です。在庫管理や顧客管理はこのツールでは行っていませんが、将来的にはできるようになればと思っています」

wa-za_2.jpg
個別商品ページ。それぞれの商品が統一フォーマットで紹介され、画面右下に購入ボタンが表示される

また、トップページ左側にあるサイドバーの部分には「皿類」や「鉢類」といった食器の形状と、「5000円以下」や「5000円~9999円」といった価格帯の2種類の分類項目によるカテゴリーが表示されており、クリックすると、それぞれのカテゴリーに該当する商品の一覧が表示される。これも「ひとつのエントリーに複数のカテゴリーを指定できる」というMovable Typeの特徴をいかした構築例だ。

さらに、「注目の陶芸家」や「人間国宝」の紹介といった個別商品以外の記事や、「注文方法」、「個人情報保護法方針」といったジェネラルな情報も1つのエントリーとして投稿され、メインテンプレートへの記述によってトップページに配置されている。

このようなカスタマイズの進め方はどのように行っているのだろうか?

「最初は、トップページのテンプレート案を紙に書いてデザイナーに渡し、ロゴなどの素材の作成とテンプレートのコーディングをしてもらいました。あとは、それを基に、わたしがいろいろと肉付けをしていきました」

立ち上げ作業以降は、通常運用もカスタマイズ作業もすべて西田さんが一人で行っているそうだ。驚いたのが、このサイトの目玉である商品写真の撮影さえも、外部カメラマンを使わず自分で行っているという点だ。

「もちろんブツ撮りも自分でやっています。撮影技術は撮っていくうちに身につきました。ライティングとホワイトバランスさえ間違わなければ大丈夫ですよ。使用している機材も普通のデジカメ、ニコンの『COOLPIX 5700』 です。

また、撮影する写真のクオリティーは、実物より若干落とすように心がけています。お客さんのところに商品が届いて箱を開けたとき、その美しさにびっくりしてもらうことを狙っているのです」

ウェブ通販の弱点である「商品の実物を見ることができない」、「写真ではどうしても実物のニュアンスを伝えきることができない」といった問題を、写真のクオリティーを調整することによって、実物を見たときの感動によって解消するという逆転の発想だ。これも商品に絶対的な自信を持っているということの証しだ。

ゆくゆくは地域ポータルに

比較的高価な一点物の九谷焼を扱う「和座本舗」は、必ずしも商品を売ることだけが目的ではないと言う。

「将来的に『和座本舗』 は商品を売り上げるサイトではなく、九谷焼、そして石川県の伝統工芸を紹介するポータルサイトになっていけばいいかなと思っています。なぜかと言うと、結局今のままでは九谷焼、そして伝統工芸品はたいして売れないからです(笑)。いい物を作っているのに、それを外に表現する方法がないから日の目を見ないのです。このサイトでは、それをなんとか解消していきたいと考えています。

商品の売買だけでは伝統工芸品に将来はありません。商材プラス情報産業にならないとだめでしょう。伝統工芸の情報が収集されコミュニティーができ、集客できるサイトを作りたいのです。すると、そこで広告なりアフィリエイトなりドロップシッピングなりで収益をあげる手段は自然にできていくでしょう」

伝統工芸品を巡る構造的な弱点を、Movable Typeを使った地域ポータルサイトの構築で解消していくという構想はとてもユニークだ。現在その第一歩として「和座本舗」のサブドメインを利用し、「石川県風土気候ブログ」という地域情報ブログも運営する西田さん。まったくエネルギッシュな人である。

wa-za_3.jpg
石川県風土気候ブログ

wa-za_04.jpg
今回お話を伺った和座代表 西田さん

■事例データ■
・ Movable Type 通常ライセンス(ライセンスパック)
・ サイトを公開したのは:2005年3月
・ はじめた理由:ショッピングモールに限界を感じて
・ 制作を担当したのは:自社
・ 何か手ごたえはありましたか?:思い通りの店舗デザインができ、なおかつ更新も楽になった

同じ業種の事例

ダウンロード
page top