Movable Typeを利用するには、バックエンドにリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)が必要となります。使用するデータベースによってインストール方法が異なりますので、Movable Typeがサポートする3つのデータベースそれぞれについて解説します。まずは「MySQL」を利用する方法を解説します。
これからMySQLをインストールする場合はバージョン4.0以降をインストールしてください。本書では、ウェブ・サーバーと同じホストにMySQLがインストールされていることを前提に説明します。
MySQLの設定ファイル「my.cnf」に以下の設定を追加し起動します。
[mysqld] default-character-set=utf8 old-passwords [client] default-character-set=utf8
ブログの文字エンコーディングをUTF-8以外にする場合はutf8の代わりにsjis(Shift_JISの場合)、ujis(EUC-JPの場合)などを指定してください。
Movable Typeで使用するユーザーおよびデータベースを作成します。
例:データベース名を「mt」とする場合$ mysqladmin -uroot -pXXXXXX create mt
例:ユーザー名を「mtuser」、パスワードを「mtpasswd」とする場合$ mysql -uroot -pXXXXXX mysql> grant select,insert,update,delete,create,index,alter on mt.* to mtuser@localhost identified by 'mtpasswd';
「mt-config.cgi」をテキストエディタで編集します。行頭に「#」がある行はコメント行です。必要に応じて「#」を取り除いてください。「CGIPath」の行にMovable Typeを設置するURLを設定します。
例:Movable Typeを「http://www.mt-site.jp/webapps/」以下に置く場合CGIPath http://www.mt-site.jp/webapps/
先ほど「CGIPath」で設定したディレクトリにCGI以外のファイルを置けない場合は、画像やスタイルシートなどの静的ファイルは別のディレクトリに置く必要があります。それら静的ファイルを置くディレクトリを「StaticWebPath」の行に設定します。
CGIPathで指定したディレクトリに静的ファイルを置くことが可能な場合は「StaticWebPath」を設定する必要はありません。
例:静的ファイルを「http://www.mt-site.jp/mt-static/」以下に置く場合StaticWebPath http://www.mt-site.jp/mt-static/
行頭の「#」(シャープとスペース)を取り除くのを忘れないでください。
ブログの文字エンコーディングをUTF-8以外に変更したい場合は「PublishCharset」の行に設定します。
例:EUC-JPの場合はPublishCharset EUC-JP例:Shift_JISの場合はPublishCharset Shift_JIS
MySQLに関係する設定を行います。行頭「#」(シャープとスペース)を取り除くのを忘れないでください。
そのまま「DBI::mysql」のままで構いません。
ObjectDriver DBI::mysql
Movable Type用のデータベースの名前を設定します。データベース名が「mt」の場合は、以下のようにします。
Database mt
MySQLに接続するユーザーのアカウントを設定します。「mt」というデータベースに「mtuser」というアカウントで接続する場合は、以下のようにします。
DBUser mtuser
DBUserで指定したユーザーのパスワードを設定します。「mtuser」というアカウントのパスワードが「mtpasswd」の場合は、以下のようにします。
DBPassword mtpasswd
MySQLがMovable Typeを動作させるウェブ・サーバーと同一のホストにない場合はMySQLサーバーのホスト名を設定する必要があります。データベース・サーバーが「mysql.mt-site.jp」というホスト名の場合は、以下のようにします。
DBHost mysql.mt-site.jp
別ホストのMySQLが標準(3306)とは違うポートで動作している場合は「DBPort」の行を追加します。以下の記述を「DBHost」の次の行に挿入します。
DBPort 6789
MySQLがMovable Typeを動作させるウェブ・サーバーと同一のホストにあるものの、MySQLとPerlで使用するUNIXソケットが違う場合は「DBSocket」の行を追加します。以下の記述を「DBHost」の次の行に挿入します。
DBSocket /path/to/mysql.sock
データベースへアクセスする際の文字エンコーディングを明示的に設定するものです。MySQLのバージョンが4.1以上の場合はこの値を「1」に設定します。
SQLSetNames 1
必要に応じてその他を設定します。
Movable Typeが生成するテンポラリーファイルの保存場所を設定します。「/tmp/」以外の場所にしたい場合は行頭の「#」(シャープとスペース)を取り除き、以下のようにします。
TempDir /temp/
Apacheがsuexecで動作している場合、行頭の「#」(シャープとスペース)を取り除き、以下のようにします。
DBUmask 0022 HTMLUmask 0022 UploadUmask 0022 DirUmask 0022
パッケージを解凍して作成されたディレクトリの中身をウェブ・サーバーのインストール先(mt-config.cgiの「CGIPath」で指定している場所)に、FTPクライアントなどでアップロードします。
ただし、StaticWebPathを設定している場合はmt-staticディレクトリのみ、StaticWebPathで指定している場所にアップロードします。
アップロードの際は、「mt-static/images」ディレクトリ内のファイルはBINARYモードで、それ以外はASCIIモードでアップロードします。アップロード後、インストール先のディレクトリ内のCGIスクリプト(「.cgi」という拡張子のファイル)のパーミッションを「755(-rwxr-xr-x)」に設定します。
今までの作業について、システム・チェック用CGI「mt-check.cgi」を実行して最終確認を行います。ウェブ・ブラウザーでmt-check.cgi(本書の例では「http://www.mt-site.jp/webapps/mt-check.cgi」)にアクセスしてください。
ページの最下部に「準備が整いました。」というメッセージが表示されていた場合、無事に作業が終了したことになります。このメッセージが表示されなかった場合、何らかの作業が完了していないので、手順を見直し、足りない作業を行ってください。
システム・チェックが正常に終了したら、ウェブ・ブラウザーでmt.cgi(本書の例では「http://www.mt-site.jp/webapps/mt.cgi」)にアクセスしてください。
ボタンをクリックするとインストールが開始されます。
「インストールが完了しました。」というメッセージが表示されればインストールは正常に終了しています。[Movable Typeにログインしてください]ボタンをクリックすると、Movable Typeへのログイン画面が表示されます。