「Oracle」は世界中の大規模なシステムで採用されている、実績のあるデータベースです。ここではMovable Typeのデータベースに「Oracle」を使用する場合のインストール方法について解説します。「Oracle」のバージョンは10g以降に対応しています。
これからOracleをインストールする場合はOracle Database 10g以降をインストールしてください。
Oracleデータベースの作成時に、Character Set, National Character SetにUTF8などの日本語(Japanese_Japan)をサポートするCHARSETを設定してください。Movable Typeで使用するユーザーおよび表領域を作成します。
例:表領域を「mt」とする場合
[作成]ボタンをクリックします。
名前に「mt」と入力し、データファイルの[追加]ボタンをクリックします。
ファイル名に「mt.dbf」と入力し、[続行]ボタンをクリックします。
HINT ファイルサイズおよびAUTOEXTENDの設定は想定されるデータ量にあわせて適切に設定してください。
[OK]ボタンをクリックします。
以上で表領域の追加が完了しました。
例:ユーザー名を「mtuser」、パスワードを「mtpasswd」とする場合
[作成]ボタンをクリックします。
名前に「mtuser」、パスワードに「mtpasswd」、デフォルトの表領域に「MT」と入力します。
[ロール」タブを選択し、[リストを編集]ボタンをクリックします。
[RESOURCE]を選択した[ロール]に移動します。
[OK]ボタンをクリックします。
以上でユーザーの追加が完了しました。
mt-config.cgiをテキストエディタで編集します。行頭に「#」がある行はコメント行となります。必要に応じて「#」を取り除いてください。「CGIPath」の行にMovable Typeを設置するURLを設定します。
Movable Typeを「http://www.mt-site.jp/webapps/」以下に置く場合CGIPath http://www.mt-site.jp/webapps/
先ほど「CGIPath」で設定したディレクトリにCGI以外のファイルを置けない場合(「/cgi-bin」配下でScriptAliasが有効となっている場合)は、画像やスタイルシートなどの静的ファイルは別のディレクトリに置く必要があります。それら静的ファイルを置くディレクトリを「StaticWebPath」の行に設定します。
CGIPathで指定したディレクトリに静的ファイルを置くことが可能な場合はStaticWebPathを設定する必要はありません。
例:静的ファイルを「http://www.mt-site.jp/mt-static/」以下に置く場合StaticWebPath http://www.mt-site.jp/mt-static/
行頭の「#」(シャープとスペース)を取り除くのを忘れないでください。
ブログの文字エンコーディングをUTF-8以外に変更したい場合は「PublishCharset」の行に設定します。
例:EUC-JPの場合PublishCharset EUC-JP例:Shift_JISの場合PublishCharset Shift_JIS
Oracleに関係する設定を行います。行頭「#」(シャープとスペース)を取り除くのを忘れないでください。
そのまま「DBI::oracle」のままで構いません。
ObjectDriver DBI::oracle
Movable Type用の表領域が存在する「インスタンスのSID」を設定します。
例:SIDが「orcl」の場合Database orcl
Oracleに接続するユーザーのアカウントを設定します。
例:「orcl」というインスタンスに「mtuser」というアカウントで接続する場合DBUser mtuser
DBUserで指定したユーザーのパスワードを設定します。
例:「mtuser」というアカウントのパスワードが「mtpasswd」の場合DBPassword mtpasswd
Oracle がMovable Typeを動作させるウェブ・サーバーと同一のホストにない場合はOracleサーバーのホスト名を設定する必要があります。
データベース・サーバーが「oracle.mt-site.jp」というホスト名の場合DBHost oracle.mt-site.jp
別ホストのOracleが標準(1521)とは違うポートで動作している場合は「DBPort」の行を追加します。以下の記述を「DBHost」の次の行に挿入します。
DBPort 1522
必要に応じてその他を設定します。
Movable Typeが生成するテンポラリーファイルの保存場所を設定します。「/tmp/」以外の場所にしたい場合は行頭の「#」(シャープとスペース)を取り除き、以下のようにします。
TempDir /temp/
Apacheがsuexecで動作している場合、行頭の「#」(シャープとスペース)を取り除き、以下のようにします。
DBUmask 0022 HTMLUmask 0022 UploadUmask 0022 DirUmask 0022
CGIからOracleに接続するためには、ウェブ・サーバーに環境変数「ORACHE_HOME」と「NLS_LANG」を設定する必要があります。ウェブ・サーバーとしてApacheを使用している場合には、設定ファイル「httpd.conf」に以下の記述を追加します。
SetEnv ORACLE_HOME /app/oracle/product/10.1.0/db SetEnv NLS_LANG Japanese_Japan.UTF8
「NLS_LANG」には、「PublishCharset」に設定する文字エンコーディングにあわせて、Japanese_Japan.UTF8、Japanese_Japan.JA16EUC、Japanese_Japan. JA16SJISなどを指定してください。必ずしもデータベースのCharsetと一緒である必要はありません。
パッケージを解凍して作成されたディレクトリの中身をウェブ・サーバーのインストール先(mt-config.cgiの「CGIPath」で指定している場所)に、FTPクライアントなどでアップロードします。 ただし、StaticWebPathを設定している場合はmt-staticディレクトリのみ、StaticWebPathで指定している場所にアップロードします。
アップロードの際は、「mt-static/images」ディレクトリ内のファイルは「BINARYモード」で、それ以外は「ASCIIモード」でアップロードします。アップロード後、インストール先のディレクトリ内のCGIスクリプト(「.cgi」という拡張子のファイル)のパーミッションを「755(-rwxr-xr-x)」に設定します。
今までの作業について、システム・チェック用CGI「mt-check.cgi」を実行して最終確認を行います。ウェブ・ブラウザーでmt-check.cgi(本書の例では「http://www.mt-site.jp/webapps/mt-check.cgi」)にアクセスしてください。
ページの最下部に「準備が整いました。」というメッセージが表示されていた場合、無事に作業が終了したことになります。このメッセージが表示されなかった場合、何らかの作業が完了していないので、手順を見直し、足りない作業を行ってください。
システム・チェックが正常に終了したら、ウェブ・ブラウザーでmt.cgi(本書の例では「http://www.mt-site.jp/webapps/mt-check.cgi」)にアクセスしてください。
ボタンをクリックするとインストールが開始されます。
「インストールが完了しました。」というメッセージが表示されればインストールは正常に終了しています。[Movable Typeにログインしてください]ボタンをクリックするとMovable Typeへのログイン画面が表示されます。