Six Apart ニュース
シックス・アパートから最新のニュースをお伝えします。
Movable Type 3.0のライセンス体系について
米国ではMovable Type 3.0 Developer Editionのリリース後、特に価格やライセンス体系について、かなり激しい議論が巻き起こりました。
その後、ユーザーの方から寄せられたフィードバックを基に、紛らわしい点や誤解を生んだ点のご説明、ならびに現状に照らし合わせたライセンス上の変更点などを、米シックス・アパートのCEO、ミナ・トロットが、ウェブサイト上でご説明させていただきました。
以下に、上記ご説明の日本語訳を掲載させていただきました。原文についてはMovable Type 3.0 Developer Editionをご参照ください。
Movable Type 3.0 Developer Editionをリリースいたしました。
もしあなたが開発者で、なぜDeveloper Editionが登場したのかを知りたい場合は、次の記事をお読みください (英語:Movable Type Developer Edition 3.0)。
私たちは「Plug In to Movable Type 3.0 Developer's Contest」という、開発者向けのコンテストを開催します。このコンテストでは、Movable Typeのプラグインの開発者向けに、2万ドル相当の賞品を用意しています。
もしあなたが、新しい価格とライセンス体系について知りたい場合は、次の記事をお読みください(英語:Commitment to a Free Version, while getting our pricing right。注:日本語での説明は、Movable Type 3.0日本語版に関するプレスリリースをご参照ください)。
新ライセンス体系に対する初期のフィードバックを基に、いくつかの点に対する簡単な説明と、その後に実施した若干の変更点についてをまとめました。
昨日の発表以来、新ライセンスに対して、非常に多くのフィードバックをいただきました。多くのフィードバックは建設的でした。我々は、みなさんが批判と支援をご表明いただくためにお時間を割いていただいたことに感謝しています。なるべく早くご質問にご回答させていただくため、いくつかのご質問に対するご回答が抜けてしまうかもしれません。ご容赦ください。
最も的を射たコメントの一つが、個人ライセンスは現在Movable Typeを使っているユーザーの多くに当てはまらないというものです。これは私たちにとっても驚きでした。なぜなら、2500人に対して実施した事前調査では、実に85%もの方が「ユーザー数かウェブログ数は5以下である」とご回答されたからです。この調査結果が、ウェブログ数とユーザー数の制限の最終決定に大きく影響しました。
以下に、我々のコミュニケーション不足や誤解と思われる点についてご説明いたします。また、少しでも多くのMovable Typeユーザーに適するように、これからライセンス体系に加える変更点についてもご説明します。
最もよく尋ねられた質問:
もしMovable Type 2.661か、それ以前のバージョンを利用している場合でも、いますぐライセンス料を払わないといけないのですか? もしくは、ウェブログ/ユーザー数制限に従わないといけないのですか?
いいえ、その必要はありません。2.661やそれ以前のバージョンのライセンスに準拠していれば、3.0やそれ以降のバージョンにアップグレードする必要はありません。あなたがMovable Typeをダウンロードしたときに有効だったライセンスが、今お使いのバージョンに適用されます。
どうしてCPU 1つまで、という制限がライセンスにあるのですか?
CPU 1つという制限は、ライセンスに含まれる予定ではありませんでした。すでにこの制限は、ライセンスから除外いたしました。すでにMovable Type 3.0をダウンロードされた方にも、この変更はさかのぼって適用されます。
どうしてMovable Typeの1インストールに対して、ウェブログやユーザー数の制限があるのでしょうか?
私たちが受け取った最大の批判の一つが、新しいライセンス体系に基づく各製品が設けた、ウェブログ数の制限です。この区分けを実施した最大の理由の一つは、50人の友人に対してウェブログを設置する個人ユーザーの方が、自分ひとり用にウェブログを設置する個人ユーザーより、高い料金になるのが適当だろう、と私たちが考えているからです。
あるMovable Typeがどの程度利用されているかを測るうえで、ウェブログ数とユーザー数が、最も分かりやすい指標でしょう。この指標は完璧ではありませんが、ライセンス体系を構築する上では便利なものだと思います(この点については、後で触れます)。
しかし、多くの批判の中に、10以上のウェブログを設置している場合は、個人ユーザーとしてMovable Typeを利用できなくなってしまう、または商用ライセンスに強制移行させられてしまう、という危惧がありました。我々はボリューム・ライセンスを導入していましたが、多くの場合では有効な解決方法になっていませんでした。
そこでこの問題を解決するために、次の3つを新たに導入します:
- 新たに「個人ライセンス アドオン・パック」を導入し、10ドル(注:日本での価格は未定)で新しい「1ウェブログ+1ユーザー」のライセンスを、個人ユーザー・ライセンスに追加できるようにします。追加のウェブログ/ユーザー・パックは、1パック10ドルでいくらでも追加できます。
- 個人ライセンスのユーザー数を、現行の3から5に変更します。ウェブログ数は5のまま据え置きます。
- 「ウェブログ」の定義を明確化します(詳細は次の質問をお読みください)
同時に、個人ユーザー向けのボリューム・ライセンスを廃止します。もし、すでにボリューム・ライセンスを購入されている場合の、ウェブログ数/ユーザー数は次のように変更されます。(注:日本ではボリューム・ライセンスは販売しませんでした)
- 個人ライセンス ボリューム1: 10ユーザー/10ウェブログ
- 個人ライセンス ボリューム2: 13ユーザー/13ウェブログ
注:したがって、5ユーザー以上向けの個人ライセンスの価格(例)は以下のようになります。
例えば20ユーザー/20ウェブログのライセンスは、219.95ドル(米国のキャンペーン価格の場合)となります。これは個人ライセンスが69.95ドル(米国のキャンペーン価格)、追加の15ユーザー/15ウェブログのアドオン・パックが150ドルになるためです。日本円によるアドオン・パックの価格などの情報は、後日発表させていただきます。
課金システムの変更を伴うため、この変更は来週(注:5月17日の週)前半に反映される予定です。
「ウェブログ」の定義は何ですか? もしMovable Type上の複数のウェブログを使って、1つのサイトを構築している場合は?
「ウェブログ」とは何か、という問題は、少々あいまいなところがありますが、基本的には次のような回答になります - もしMovable Type上の複数のウェブログを使って1サイトを構築している場合、ライセンス上は1ウェブログと計算します。
ライセンス上では、この問題は次のような言い回しで扱われます:"ウェブログ"とは、一つのURL(ユニフォーム・リソース・ロケーター)から閲覧可能な、一つのウェブサイトのことで、Movable Typeの「新しいウェブログの作成」機能で作成された1つ以上のウェブログから構成されます。
念のため、ウェブログ・サイトを構成する下位ウェブログは、ライセンス上のウェブログ数には数えられません。
例:もしあなたのウェブログ・サイトが、Movable Type上は4つのウェブログで構成されていた場合、つまり一つが文字ベースのメイン・ウェブログ、一つがリンク集、一つが音楽リスト、一つが書籍リスト、という構成の場合、ライセンス上は1ウェブログとみなされます。
多くのMovable Typeユーザーが、非常に頻繁にこういう設定をしています。例えば、Movable Type公式サイト(movabletype.org)は、Movable Type上は3つのウェブログから構成されています。現在、技術的見地から、この区別をよりシンプルにしようとしていますが、この説明によって(ウェブログ数に関する)疑問が解消されることを望みます。
我々はユーザーの創造性を抑えようと意図して、この制限を設けたわけではありません。もし、Movable Type上での11ウェブログをシームレスに組み合わせて、一つの素晴らしいウェブサイトやウェブログを構築することは、問題ありません。
我々のゴールは、Movable Type上の1ウェブログで、すべてのことをできるようにすることです。
もし、もう使われていないウェブログやユーザーがある場合は、どうなりますか?
この質問はあまり一般的なものではありません。しかし、明確にしておく必要があると考えています。
ライセンス上の制限は、アクティブな(利用中の)ウェブログやユーザーに対してのものです。ライセンス上の制限目的としては次のように定義します。「アクティブなウェブログ」は過去90日間に投稿(ただしコメントは除く)があったもの、「アクティブなユーザー」は過去90日間に(エントリーを)投稿したユーザーです。
もしすでに投稿していないウェブログがMovable Type上に1~2個存在し、保管・記録のためにとっておきたい場合は、こうしたウェブログはライセンス数の制限には数えられません。ユーザー数についても、これは同じです。
以前のバージョンで商用ライセンスを購入した場合、そのときの代金は(個人ライセンスと同様に)新しい商用ライセンスに充当されないのですか?
充当されます。ただし、商用ユーザーが持っているライセンス・キーは、個人ユーザーのライセンス・キーと区別できません。商用ライセンスの購入ユーザーが、以前の支払いを新しい商用ライセンスに充当するには、支払いに利用したPayPalのトランザクションIDを知らせていただく必要があります。現在、このディスカウント・プログラムの作成作業中ですので、もうしばらくお待ちください。今後、個々の状況に対応させていただきます。
上記の説明が、最も頻繁に寄せられた質問や批評に対する回答になっていることを望みます。実際には、これは過程に過ぎません。技術面でもビジネス面でも、Movable Typeのリリースまで相当の作業を要しましたが、まだまだやらなければならないことがたくさんあります。これからも、多くの質問が寄せられると思いますが、そうした質問に対して確実に回答していくように全力を尽くしていきます。