自分はこんな歯医者なのです、と紹介するにはやっぱり自分で文章を書いて更新するのが一番なんです。
一伸歯科医院
http://www.haisha.biz/
一伸歯科医院は、神奈川県・川崎市で地域に密着した地域診療を行っている医院である。一方、インターネットへの取り組みも1997年から行っており、患者に開かれた医院として、情報公開を積極的に行っている。
SEOの研究をきっかけにしてウェブログを発見した
インターネット黎明期からWEBを活用している一伸歯科医院では、SEO対策を徹底して行っている。まずはサーチエンジンの検索にヒットしないことには医院の「看板」としての役割を果たせないからだ。そのSEOの研究していく中でウェブログにも出会うこととなった。
「SEO研究をしていて、他のサイトのソースを見ていたら、ある時期から同じ様な記述をしているサイトが増えてきた様に思えました。それが何なのか気になって、調べていったらその同じソースの正体はウェブログでした。」
既に予約システムの導入の際にCGIやCSSに対してのノウハウを取得していたこともあって、ウェブログの導入はスムーズに行われた。そして、導入してわずか1週間でサイト全体をウェブログ化することを決定した。
「とにかくすぐ更新できるのが素晴らしい。しかも、その更新がトップページに反映される。SEOのチューニングも行って、サーチエンジンに新しいドキュメントが反映されることも確認できました。これはもうサイト全体をウェブログ化しないとうちでは意味がないと判断しました。」
ウェブログの導入に合わせて、WEBの内容も変化している。WEBを始めた当時は、趣味などのコラム的なものを多く掲載していた。その後、医院の看板としてビジネス内容に絞った内容に変更し、今は主に患者との信頼関係を築くための情報を提供している。
歯科医業界では、「デンタルショック」という言葉がある。これは治療台に座るだけで恐怖を感じたりする精神的なストレスに対する名称である。
「患者さんは『この歯科医は信用できるか?』という視点でWEBを見ています。そのためには常に新しい情報を、誰にでもわかりやすい形で出していくしかありません。そして、自分はこんな歯医者なのです、と紹介するにはやっぱり自分で文章を書いて更新するのが一番なんです。」
一伸歯科医院の菊池伸一先生とスタッフのみなさん
目に見える営業効果
ウェブログの導入の効果は営業効果という形ではっきりと現れている。現在、患者数は倍増しており、カルテ作成のためのアンケートによると、初診者の約8割がWEBで何らかの情報を得てから医院を訪れている。しかも、そうして訪れる人の年齢層は幅広いというから驚きだ。
「病院とは言え、営業のためには広告的なものは何か必要になります。これまでにも色々なサービスや広告なども試してきましたが、費用対効果という意味でウェブログに勝るものは今のところありません。また、患者が増えているということについては、ネット人口の変化ということと関係があると思います。昔はアクセスが増えていても、それがそのまま患者増加につながることはありませんでしたから。」
自院のサイトを完全にウェブログ化し、オンラインで予約システムを動かしていることで、これまでのところWEBに求めているものはすべて実現できているという。携帯電話からのアクセスにも対応させているのは、歯医者に気楽にきて欲しいという気持ちからである。また、菊池先生は、他の歯科医のWEBや予約システムなども構築しており、WEBのコンサルティングも行っている。
「ウェブログをここまで使ってきて思うことは、テンプレートを構築してしまえば、誰でも更新ができるウェブログこそWEBの本来あるべき姿なんじゃないかということです。タイムラグのない情報を患者さん、それから一般の方に提供していくためには、ウェブログが欠かせません。」
病院のインフォームドコンセントの重要さがますます高まる中、診療という信頼関係が最も必要な分野でのウェブログの好事例である。
■事例データ■
・Movable Type3.15商用ライセンス
・ビジネスブログをはじめたのは:2004/9月
・はじめた理由:CMS・SEO効果
・制作を担当したのは:自社(病院内)製作
・何か手ごたえはありましたか?:営業効果