サービスを良くしていくためには、サービスの提供する側と受ける側の温度差を埋めていくことが大切で、そこにはコミュニケーションが当然必要になってくる。そのコミュニケーションの第一歩がRSS配信なんです。
ブログ情報ポータル・BlogPeople
http://www.blogpeople.net/
BlogPeopleは、2003年11月4日にスタートしたウェブログ情報に特化したポータルサイトだ。人気ブログランキングや新着情報といった情報だけにはとどまらず、リンクリストといったウェブログ向けの各種サービス・ツールの提供も行っている。
RSSが生み出す効果
BlogPeopleでは、2005年3月に『ぶろっぐぴんぴん』という更新&トラックバックPing送信ソフトウェアをリリースしている。この際にも、RSS配信していることのメリットが存分に発揮されることになった。
RSS配信では不特定多数に対して一斉に情報が配信される。情報に対する感度の違いがトラックバックという形になって現れる。送信側が想定もしていない様なトラックバックが届くこともあるのは、RSS配信ではターゲットを絞っていないためだ。トラックバック元には情報配信側にとって有効な意見がある可能性が高い。その意見を収集することが、次の情報の価値を高め、フィードバックを受けた情報が再度配信されていく。そして、このループは繰り返されるのである。
「木曜日にはじめて新着のエントリーを入れてみました。すると、すぐにトラックバックでユーザーからの反応が続々と届いたんです。金曜日には、それに対してレスポンスをはじめ、スタッフの頑張りもあり、次の月曜日にはユーザーの声を反映したリリースを出すことができました。」
トラックバック経由のユーザーからのレスポンスは、非常に具体的なフィードバックが多いという。そこには、開発側では想定のしていなかった問題提起があったり、ユーザーの求めているところと開発側の相違点に気づかされることも多いという。それが、次にやるべき事の判断を早めることにもつながっている。
「クレームがくるには、クレームがくるだけの問題や理由がないとユーザーは反応してくれません。だから、クレームがない=問題がないというわけでは決してないんです。サービスを良くしていくためには、サービスの提供する側と受ける側の温度差を埋めていくことが大切で、そこにはコミュニケーションが当然必要になってくる。そのコミュニケーションの第一歩がRSS配信なんですよ。」
また、RSSはその仕様上の特質として、二次加工しやすいことがあげられる。BlogPeopleのサービスは、その特質を利用したものであり、その中のひとつにRSS検索用のツールがある。そのRSS検索をすることで、トラックバックを行わないユーザーのエントリーを探ることも可能だ。
「ユーザーが提供側に意思表示する前に、自分たちからユーザー側に歩み寄って情報を取りに行く。そういった姿勢が開発側には大事だし、そのことがそのままリソースの蓄積につながる。それは競合他社への強みとなって、自分たちに戻ってきます。」
RSSが配信のためのツールではないことをBlogPeopleでは提示している。ユーザーに向けた情報を、一方通行でない状態にキープすることがRSSとその二次加工によって実現されている。情報の更新が簡便であるというのは、ウェブログの中のひとつの側面でしかない。RSSという情報流通のルートができたことも大きな起爆剤になっているのである。
ウェブログの登場により変化した、配信と受信が表裏一体となっている情報の流れの変化の状況を反映している代表的なサイトであるBlogPeopleの動向には今後も目が離せない。
BlogPeople事務局の永沢さん
■事例データ■
・Movable Type3.15商用ライセンス
・ビジネスブログをはじめたのは:2003/12/27
・はじめた理由:RSS配信プログラムへの対応
・制作を担当したのは:BlogPeopleシステムデザインセンター
・何か手ごたえはありましたか?:サービスへの反映