導入事例

デコジャパン株式会社 コーポレートサイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
岡崎市民会館 公式サイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
一般社団法人 西東京市伝統文化育成会 公式サイト - MovableType.net 導入事例
画家 小高朋恵 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社フラワー不動産 ウェブサイト- Movable Type クラウド版導入事例
浅野肖像画工房 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社ヨシダ工業「Glanz(グランツ)」ウェブサイト- Movable Type 導入事例

日立ハイテクフィールディングがMovable Type Advanced(旧Enterprise)を使う理由

株式会社日立ハイテクフィールディング様

情報投資の一環としてブログを導入し、CS向上につなげる

各種分析装置をはじめ、研究開発・産業・医用・半導体製造関連など、最先端分野における装置の保守サービス、並びに関連部品の販売を手がける日立ハイテクフィールディングは、全国各地で活躍している社員を対象にMovable Type Enterprise(現 Advanced)をエンジンとしたイントラブログ製品「SKYARC Enterprise Intrablog」で、イントラブログ「HFD Business-Blog」を構築、2007年5月より運用を開始している。

日立ハイテクフィールディングは、Movable Type Enterpriseでイントラブログを運用している

■SNSの要素も含んだイントラブログ

2007年5月に運用を開始した「HFD Business-Blog」は、2007年10月現在総社員数の約3分の1にあたる約400人が参加している。

システムは「医用」、「ロジスティクス」、「2007年新人」といったコミュニティと呼ばれるグループ(2007年10月現在11のコミュニティがある)に分割されており、ブログを利用する社員は、希望するコミュニティに登録し参加している。

コミュニティ内にあるのは個人のブログではなく、お客様の要求に即応するための「部品の融通」、「新入社員コミュニケーションの活性化」といったテーマごとに分類されたブログだ。コミュニティに参加しているユーザーはそれらのブログに対し閲覧及びコメント、記事の投稿ができるような仕組みになっている。ブログにSNSなどの要素を巧みにプラスした運用形態だ。

システムは情報システム推進部がリーダーシップを取り、ProNet会員(Six Apart ソリューションパートナー)である株式会社スカイアークシステムの協力で構築・運用されている。

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「HFD Business-Blog」のトップページ。上部のタブが「コミュニティ」で、ユーザーによって参加できるコミュニティは異なる

■ブログでストレス発散。新人の離職防止策にも!

日立ハイテクフィールディングでは、顧客の装置に対するきめ細かいサービスを常時行う必要があるため、必然的にサービスエンジニアと呼ばれる技術者が全国の事業所で活動している。

取締役財務本部長の辰己友一さんは、イントラブログの導入は遠距離にいる社員同士のコミュニケーションを円滑にし、技術ノウハウや顧客の情報を共有して、CS(顧客満足度)向上のための情報投資の一環だと語る。

「私どもは製造業ではなくサービス会社ですので、人や情報インフラに対する投資が中心になります。イントラブログは、社員同士のコミュニケーションを密にすることによって1人ひとりの能力を高めることが大きな目的の1つです」。

例えば、医用機器を担当するサービスエンジニアが集まる「医用コミュニティ」では、全国で活動しているエンジニア同士で、緊急に必要な部品の情報やトラブル対応のアドバイス等について、活発なコミュニケーションが行われている。

「ロジスティクスコミュニティ」では、エンジニアと部品の管理を担当するロジスティクス担当者がコメントを通してやりとりを行い、納期の厳しい発注部品の対応策など、最新の情報をお互いに共有している。以前は担当者同士が電話やメールを使って行っていた業務が、ブログを使うことによって当事者以外にも共有されるため透明度が上がり、協力しやすくなりとても好評だそうだ。

また、今年度の新入社員のみが参加できる「2007年新人コミュニティ」もある。2007年度入社の安藤さんによると

「新入社員は全国に配属されます。会社生活や仕事に対する不安をブログで同期と共有し、"一緒にがんばっていこう!"という目的で利用しています。上司はブログを読めないので、自由にのびのびと意見交換をしています。

私たちの世代は、ブログなどに慣れているので、例えば出張のレポートを写真入りで詳細に紹介するなど、楽しく使っています。今はまだプライベートの話題が多いですが、だんだん仕事に関連する話も増えてきました」。

また、「新人コミュニティ」には情報共有以外にも隠れた目的があるそうだ。

「ブログには社員の離職を未然に防ぐという目的もあります。一般に、新入社員の3割は早期に離職するというデータがありますが、人材を採用するには多くのコストがかかります。簡単に辞められてしまうと経営が成り立ちません。ブログを利用することによってストレスのはけ口を作り、同期の横の連携、チームワークの向上、さらには待遇の改善につながれば、と思っています。」(辰己さん)。

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新入社員コミュニティでは、各地の新入社員たちが仕事やプライベートの話題などを投稿している

■失敗から学ぶ。ブログ活性化のための運用ルール作り
日立ハイテクフィールディングではMovable Type Enterpriseの導入以前にも、一度ASPサービスを使ってブログの導入を試みたことがあるそうだが、短期間で利用を取りやめたそうだ。失敗の理由について情報システム推進部の奥本浩徳さんはこのように語る。

「当時はスタッフ部門をメインに運用を始めたのですが、アナウンスが足りずほとんど書き込みが行われなかったのが失敗の理由です。今回はその反省を活かして社員への周知等、きめ細かく対応して運用しています」

では、イントラブログ活性化のため具体的にはどのような施策が取られたのだろうか。

鍵となるのはコミュニティの独自性だ。

システムを構築した情報システム推進部がすべてのブログを管理するのではなく、運用に関してはコミュニティごとにアクティブリーダーと呼ばれる管理者を決め、彼らに参加メンバーの募集や管理、そして活性化の施策などを行ってもらっている。

「立ち上げ時のブログ参加者は、アクティブリーダーから、ある程度活発に参加できそうな候補者をリストアップしてもらい登録しました。最初の参加者はあえて絞り、その後は口コミで随時参加者を増やしていこうという"急がば回れ"戦略です」(奥本さん)。

「参加者がブログに参加したくなるシステム的な枠組み作り、カテゴリーツリーの作成も情報システム推進部とアクティブリーダーの共同作業です」と、秦和歌子さんは語る。

「最初は情報システム推進部で骨組みを考え提案し、そのあとリーダーが何をしたいかをヒアリングし、意見をあわせてレビューしながらカテゴリーツリーを作っていきました。もちろん一度で決まるわけもなく何回か試行錯誤しています。
ブログは時系列ごとに見られるのがメリットですが、カテゴリーの分け方を間違うと機能しません。コミュニティごとにまったく性格が違うので、それぞれに適応するのを見つけ出してあげるのが重要です。システム部門なのにコンサル的部分が大きいですね」(秦さん)。

また、コミュニティのアクティブリーダーと情報システム推進部のメンバーだけが集まる「TASK-E(全社活動)」というコミュニティも存在する。担当コミュニティの投稿数やコメント数など、イントラブログの利用状況の報告を定期的に行い、内容を分析して活性化のための目標を立てている。

また、投稿やコメントの運用ルールもコミュニティによって異なる。

「運用ルールですが、まず『利用者規約』という全体の固めなルールがあります。けれどもこれだけだと萎縮して参加のハードルが上がってしまうので、アクティブリーダーと相談しながらコミュニティごとの柔らかめの運用ルールも作成しています。例えば2007年新人コミュニティでは、『同期のみの公開なので気軽に投稿しましょう』といった投稿しやすいような環境作りを工夫しています」(秦さん)。

ブログの活性化のために、システム面だけではなく運用面でも多くの試行錯誤と努力がなされていることがわかる。

「器だけ用意しても決してアクティブにはならないんです。仕掛け作りをしながらコミュニティを育てていくしかないんですよね。また、ブログに慣れた若い世代はほっておいても参加しますが、それ以外の人たち、特にスタッフ部門の人たちを活性化させる方が難しいですね。ブログが遊びだと思っている人もまだまだ多いので、私のような役員がお墨付きを与えるのも重要です。イントラにはトップダウンも必要なのです」(辰己さん)。

■顧客にもブログネットワークを広げ、他社との差別化を目指す

驚くべきことに、このブログはスタートして半年もたっていない。すでに大きな成功を収めているように見えるが、まだまだ改善点はたくさんあるようだ。

「ある程度の手ごたえはありますが、必ずしも全分野(コミュニティ)で成功しているわけではありません。ブログの活性化は、アクティブリーダーの熱意や、メンバーの好奇心によって大きく上下します。今後は若い世代だけではなく管理職でもブログを活用するのが目標ですね。部課長さんには『陰で喧嘩するくらいならブログでバトルしなさい』とも言っています(笑)」(辰己さん)。

さらに、将来的にはイントラにとどまらず、顧客にもブログネットワークを広げていきたいとの希望も。

「セキュリティの問題などまだまだ技術的には難しいですが、最終的には社内だけではなくお客様もこのブログに参加していただき、他社との差別化を図っていきたく思っています。新しい機器の情報をご提供したり、他社との比較やご意見などをいただいたりすることによって、CS向上にもつながっていくと思っています」(辰己さん)。

取締役自らの強力な旗振りによるユニークな使い方とスタッフの熱意で、イントラブログを業務に活かしている日立ハイテクフィールディング。

この情熱があれば数年後には、過去に例のない会社の垣根を越えたブログネットワークが完成しているかもしれない。

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お話を伺った安藤さん、辰己さん、秦さん、奥本さん(左から)

事例データ

Movable Type Enterprise

・ブログをはじめた時期:2007年5月

・はじめた理由:社員同士のコミュニケーションを円滑にするため

・制作を担当したのは:株式会社スカイアークシステム

・何か手ごたえはありましたか?:全国の社員同士で活発なコミュニケーションが行われている

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