導入事例

デコジャパン株式会社 コーポレートサイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
岡崎市民会館 公式サイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
一般社団法人 西東京市伝統文化育成会 公式サイト - MovableType.net 導入事例
画家 小高朋恵 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社フラワー不動産 ウェブサイト- Movable Type クラウド版導入事例
浅野肖像画工房 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社ヨシダ工業「Glanz(グランツ)」ウェブサイト- Movable Type 導入事例

コロムビアミュージック「音レボ」がMovable Type 4 コミュニティ・ソリューションを使う理由

コロムビアミュージックエンタテインメント様

これまでにないオーディションシステムをブログで目指す

音楽アーティストのオーディションを、一般リスナーのみで行う新しいデビューシステム「音レボ」。
音楽業界の常識を覆す革新的な試みに取り組んでいるのは、大手レコード会社のコロムビアミュージックエンタテインメントだ。
アーティストが自らをアピールし、リスナーとつながる舞台はネット上に据えられており、その仕組みは、Movable Type 4によって支えられている。

otorevo1.jpg
「音レボ」のトップページ。SNS機能も投票システムも網羅したMovable Type 4 コミュニティソリューションをカスタマイズして構築されている

■ITビジネスのやりかたを音楽業界で実行する
世の中に星の数ほどいるミュージシャンの中で、プロとしてデビューし、成功を得られるのはひと握りに過ぎない。レコード会社に認められて売り出してもらうというプロセスが必要であり、その命運は一部の人の手に委ねられている。誰がプロとしてふさわしいかは、業界に所属する人が決定しているというわけだ。

そのシステムを根本的に変えようという試みが「音レボ」だ。誰でも楽曲を登録できるし、聴くのも自由。ネットに接続さえできれば、誰でもオーディションに参加できるのだ。運営はレコード会社であるコロムビアミュージックエンタテインメントが行っているので、支持を得られたアーティストはデビューも夢ではないのが大きな特長だ。

「音レボ」を立ち上げ、運営に当たっているのがニューヨーク出身のイジョビ・ヌーワーさん。
コンピュータセキュリティの専門家であり、いくつもの会社を創立して成功させるなどの実績を持ち、『ビジネス・ウィーク』誌にて「若い起業家TOP25」にもノミネートされたことのあるヌーワーさんだが、音楽業界に携わるのはこれが初めてだ。子供の頃に、演技や音楽を教える学校に通っていたことはあるが、「ブリトニー・スピアーズやアリーシャ・キーズも在籍していた有名な学校でしたが、自分には音楽の才能がなかったので、コンピュータ・ハッカーになりました」という。

ビジネスの才能を開花させ、アメリカで成功を収めたヌーワーさんが、日本でビジネスを始めたのは数年前。1年間大阪で暮らした経験を持ち、田中康夫長野知事(当時)より住基ネットのセキュリティテストを任されたこともある。
今回のプロジェクトに参加したきっかけは、2年前からコンサルタントとしてコロムビアミュージックエンタテインメントに在籍しているJordan Ritter(ジョーダン・リッター)さんと旧知の関係だったためだ。

「保守的な音楽業界には懐疑的だったし、興味もなかった」というが、同社CEO・廣瀬禎彦さんに惹かれ、その考えが変わった。
「廣瀬さんはIBM出身で、ITのバックグラウンドがある。彼に新しい音楽のビジネスモデルを作るように言われ、やってみることにしました」。

■日米間でのスピーディな開発もMovable Typeだから可能に
CDの売り上げが低迷するなど、音楽業界の置かれている状況は厳しい。
その原因のひとつが「生産(プロダクション)と配布(ディストリビューション)にお金がかかりすぎている」ことにある。
廣瀬さんがヌーワーさんとリッターさんに告げた使命は、効率の良いアーティスト発掘とディストリビュート方法の構築、そして"未来の音楽業界の仕組み"にふさわしいフロントエンドの開発だ。そこでヌーワーさんたちが考えたのは、「ファンとアーティストを直接つなぐ仕組み」を作ること。
いままでのように一部の人間がアーティスト発掘に当たるのではなく、リスナーに委ねようというのだ。

「全くの素人の投票によって、デビューを決めるなんて馬鹿げているという人もいます。
何が売れるかを市場が決めるという考えは音楽業界にはなく、いままでとは大きく違っていたからです」。

その考えの実現には、Movable Typeが大きく関わることとなった。

「Movable Typeを選んだ最も大きな理由は、継続的に誰でも運営が可能だということ。
自社開発や他のブログプラットフォームも検討しましたが、僕が抜けたら誰もわからなくなっては困ります。それに自社開発は、コストも時間もかかりますから」。

「音レボ」の開発は、ヌーワーさんの人脈を生かし、アメリカで行われた。
「シックス・アパートが提供してくれたコミュニティソリューションで、ほとんどの機能が網羅され、サイト全体を構築できました。SNS機能も用意されていましたし。投票システムの内容を多少カスタマイズしたぐらいですね」。

その後、日本国内のチームに移行してローカライズした後、サービスを開始。運営も日本国内で行っている。
国をまたいでの開発体制となったわけだが、日本とアメリカの両方でサポートが受けられるブログとなると、Movable Type以外の選択肢はほとんどなかったという。

「アメリカから日本に移行する際、日本のシックス・アパートにはずいぶん助けてもらいました」。

音レボが企画されてからサイトオープンまではわずか2ヶ月。
「もしMovable Typeがなかったら、この期間でのオープンは確実にムリでしたね」。

■サイト上でアーティスト自らがプロモーション活動
「音レボ」でミュージシャンがデビューするまでの流れは次の通りだ。

1.ミュージシャンが自ら音源やライブパフォーマンスをサイトにアップする。
2.サイトを訪れたリスナーが、試聴を行い、気に入ったミュージシャンに投票する。
3.一定期間内で、獲得票数の多い10組が最終選考に残る。
4.再び投票を行い、最終的にトップに選ばれたミュージシャンはCDデビュー化もありうる。

otorevo3.jpg
ミュージシャンへの投票が可能。現在の票数も表示される

現在の登録ミュージシャンは1,000人ほど。全員にデビューの機会は平等に与えられているが、大勢の中でアピールし票を獲得するのはたいへんなことであり、自らをプロデュースする能力が求められることになる。

「早く登録すれば多くの票が集められるわけではありません。実は、最も重要なのは、音レボの外での活動です。例えば路上ライブでフライヤーを配ったり、ミクシィで投票を促したりして、音レボにファンを誘導することなのです」。

さらに音レボ内でも、もらったコメントに返事するなどのコミュニケーションをとることで、ファンを確実に獲得しつづけておくことができる。これらのプロモーション活動は、今までレコード会社が行っていたが、その効果についてヌーワーさんは懐疑的な意見を持っている。

「どんなに強力なマーケティングチームやセールスチームがあっても、実際にCDのセールスは落ちこんでいます。実際に音楽をする人や聴く人たちが自分たちで盛り上げていく、それが新しいプロモーション方法なのです」。

otorevo2.jpg
アップした映像にはコメントを付けることが可能

また、選考にもれたとしても、自分でCDを売る扉も開かれている。ショッピングサイト「Amazon」と連携し、委託販売を行うこともできるのだ。
「今後は音楽のダウンロード販売や、携帯への対応も視野に入れています」とも。
音楽の販路が多様になれば、いままでとは違った層にもアピールできるだろう。

■スピードと低価格を叶えるMovable Type
まだオープンから間もない「音レボ」だが、今後もさまざまな展開を考えているとこのこと。近々実装されそうなのが、参加者のブログだ。

「まず、一部のアーティストにブログを解禁し、その後全アーティストにも使ってもらうようにする予定です。どうやってブログを使うのかを知ってもらった上で、投票側のリスナーの方も含めた全員にブログ機能を提供したいと思っています。音レボにおいて、ブログは決定的に重要な意味を持っていると思います。ブログは、ミュージシャンとファンがコミュニケートする機会を与えてくれますし、彼らのストーリー性を伝えることもできます」。

ブログという自由な場ができることで、自己プロモーションの質はさらに変わってくるだろう。そこから前述のダウンロード販売へとつなげることができれば、それは現状の音楽業界とは違うビジネスモデルが確立することとなる。

「コミュニティや投票機能など、やりたいことはほとんどMovable Type 4 コミュニティ・ソリューションで実現できたし、今後に向けて考えていることも、ほぼできると思っている」とヌーワーさんは言う。
ブログ機能のほかにも、RSSによる新規ビデオの通知や、楽曲に対するクリエイティブコモンズの設定など、今後さまざまなアイディアが形になっていく予定だ。

「音楽業界の人には、音レボなんてうまくいかないと思っている人も多い。でも、マーケットやダイナミックスのことがわかっているビジネスパーソンは、これがうまくいくとわかっています。ビジネス開発の未来は、実現までのスピードと低価格がキーとなるでしょう。だから、いかに良いパートナーを見つけるかは最重要。今後新しいプロジェクトをやる上でも、シックス・アパートとMovable Typeはいつも僕のプランの中にあると思います」。

otorevo4.jpg
お話を伺ったイジョビ・ヌーワーさん

otorevo5.jpg
「音レボ」の開発・運営スタッフの皆さん

事例データ
Movable Type 4(コミュニティソリューションに関してはこちら
・ブログをはじめた時期:2007年9月
・はじめた理由:新たな音楽ビジネスモデルを実現するサイトの構築
・制作を担当したのは:内部
・何か手ごたえはありましたか?:既存のビジネスモデルを覆すシステムの第1歩が踏み出せた

同じ業種の事例

ダウンロード
page top