Movable Typeで外部にも内部にも優しいサイト制作を実現
『マイコミフレッシャーズ』は、企業への就職が内定した学生が、就業するまでの間に参考となるコンテンツが満載の"社会人準備応援サイト"だ。提供するのは株式会社 毎日コミュニケーションズ。学生向けの就職情報を主軸として、高校生から社会人までの情報を提供する『マイナビ』を展開するほか、それに伴う出版事業や人材派遣業務などを行う企業だ。
『マイコミフレッシャーズ』には、内定者が内定後に抱える不安を解消するためのQ&A集や、まもなく迎える社会人生活に必要なビジネス・社会人マナーを学べるコンテンツなどの豊富な情報が掲載されている。サイトの位置づけとしては、就職情報サイトの『マイナビ』の利用者を引きつけ、その後の社会人向けサイトへ誘導するという役割を持っている。
■コンテンツの充実と作業負荷の軽減を両立
就職先が内定した学生は、入社するまでの期間さまざま不安にさいなまれるもの。それの解決を目的としたウェブサイトが、このマイコミフレッシャーズだ。
マイコミフレッシャーズは、もともと学生向けの就職支援サイト『マイナビ』の1コンテンツとして2001年に誕生した。人気を博したため、ほどなくして独立サイトとして立ち上がった。
「私がこのサイトの担当になったときは、それぞれのページをHTMLエディタでコツコツ作成していました。そのため、コンテンツの更新があるたびに、ページの作成はもちろん、リンクのチェックなど、作業工数が多くあり更新には時間がかかりました」と話してくれたのは、このマイコミフレッシャーズのウェブマスターである、社会人情報事業部 メディアコミュニケーション課 宮島千尋さん。
「コンテンツが充実するにつれて更新の頻度もあがることとなり、どんどん作業の負荷が増す事態となっていたのですが、それを解決するために、サイトをMovable Typeで制作することにしました」。
現在、同サイトのトップページ以下、一部のコンテンツがMovable Typeで作成、公開されている。
「もともと、弊社の『COBS ONLINE』 『escala cafe』といったサイトがMovable Typeで制作していましたし、自分も個人的にMovable Typeを利用していたこともあり、すんなりと導入することを決定しました」。
同社が展開するサイト『escala cafe』(女性社会人向け)。一見しただけではわからないが、かなりカスタマイズされたテンプレートデザインを利用している
マイコミフレッシャーズのサイトコンテンツがMovable Typeで更新されるようになったのは、2006年12月から。従来のサイトデザインを大幅に変更することなく、テンプレートデザインの調整を行ってコンテンツの一部分から徐々にMovable Type化していくことができたという。制作は基本的に宮島さんが行い、アイコンなどのデザインパーツだけを外部が担当したという、非常にコストパフォーマンスの高いサイトリニューアルだったようだ。
「Movable Typeの採用で、更新に必要だった手間を大幅に削減することができました」。
コンテンツの主軸は、サイト利用者(内定済みの学生)が抱えている質問をサイトのフォームで送信し、それに対して識者のコメントを得て回答するという形式だ。更新は「質問」と「回答」をMovable Typeでアップする形で行われている。コンテンツでは、基本的にコメントとトラックバックは閉じていて、CMSとして利用されていることになる。
■ユーザービリティの向上がページビューのアップに結びつく
現在、サイトの担当者は宮島さんを含めて3人。宮島さんは、以前のシステムではコードを入力したりリンクをチェックしたりと、ウェブマスターでありながら現場の作業も多かったが、ほかの担当者にそれらの作業を任せることにより、サイトのディレクション業務に重点を置いて仕事をこなすことができるようになったという。
また、操作が容易なので、配属されたての担当者でも、Movable Typeの更新システムを使えば、すぐに更新業務に当たれるというメリットもあるそうだ。
そして、「それぞれのページを続けて読めるようなリンク構造にしたので、雑誌のページのような感覚でコンテンツを連続して読んでもらえるようです。それから、Movable Typeの検索機能が、サイト内のコンテンツから利用者の必要な情報をダイレクトに見つけやすくしているということもあるようで、結果的にページビューが大幅にアップしました」と宮島さんは続けた。
サイト更新の手間が大幅に簡略化できただけでなく、サイトのユーザビリティが改善されたことによって、ページビューが向上するというメリットも享受できたのである。
サイトのメインコンテンツとなるQ&Aページ。内定者が持つさまざまな疑問や不安が親切な回答によって解決されていく
さらに、コンテンツの性質上毎年新しくなるものと、内容が積み上がっていくものが混在する。それらの取捨選択においても、コンテンツ管理の行いやすいMovable Typeが活用されているとのことだ。
内定者のためのサイトであるため、利用者のアクセスは年末ぐらいから入社式目前の3月末までに集中するという。同サイトは現状、パソコンから利用することが前提になっているが、携帯電話を使ってどこからでもウェブアクセスを行うのが昨今の若者。
「ケータイからも気軽に利用できる機能を追加していく予定です。そうすれば忙しい内定者がどこからでもサイトを利用できるようになるでしょうから」。
「今後もコンテンツを充実させ、"内定したらフレッシャーズ"という感じで、この市場で"唯一の媒体"として、多くのユーザーを獲得していきたいと考えています」と、今後の展望を語る宮島さんは、最後にこんな言葉を残してくれた。
「使い込むほどに、Movable Typeは"内部にも外部にも優しい"ツールだと実感できるようになりました」。
お話を伺った宮島さん
事例データ
・Movable Type(基本ライセンスパック)
・サイトを始めたのは:2006年12月
・始めた理由:サイトの制作作業の負荷を軽減するためにMovable Typeを採用
・制作を担当したのは:社内
・何か手応えはありましたか:ページビューが上昇した
(文:二瓶 朗)