導入事例

デコジャパン株式会社 コーポレートサイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
岡崎市民会館 公式サイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
一般社団法人 西東京市伝統文化育成会 公式サイト - MovableType.net 導入事例
画家 小高朋恵 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社フラワー不動産 ウェブサイト- Movable Type クラウド版導入事例
浅野肖像画工房 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社ヨシダ工業「Glanz(グランツ)」ウェブサイト- Movable Type 導入事例

「cafeglobe」がMovable Typeを使う理由

cafeglobe様

ブログは"編集者の主張"を発信し続けるためのツール

cafeglobe」は、働く女性をターゲットとするウェブサイト。ファッションやビューティなど女性誌では定番の記事だけでなく、社会問題やキャリアアップなどにも目を向けた、仕事にも生活にも真面目に取り組む現代女性にフィットするコンテンツ作りが特長だ。大量のコンテンツ管理のために自社開発のCMSを導入しているが、一部にはMovable Typeを導入している。

「cafeglob.com」のトップページ。ファッションやビューティはもちろん、政治や経済関連のコンテンツも豊富
「cafeglobe.com」のトップページ。ファッションやビューティはもちろん、政治や経済関連のコンテンツも豊富

■自社CMSの弱点を補うMovable Type
『cafeglobe.com』のオープンは1999年12月。女性誌で編集を行っていた青木陽子さんが中心となり、大人の女性にとって役立つ情報とコミュニティ機能をそなえたウェブサイトとして誕生した。はじめはすべて手作業で更新していたが、コンテンツの増加に伴って作業量も増えていく。効率化を図るため、半年が過ぎた頃、自社開発の簡単なCMSを導入した。現在でも、多くのコンテンツは自社CMSによって管理されているが、一部はMovable Typeで構築しているそうだ。

「4年ほど前、ブログが注目され始めたころに『入れてみてはどうか』という話が出たのをきっかけに導入しました」(カフェグローブ・ドット・コム メディアサービス部 河野哲男さん)。

すでに自社CMSがあるにも関わらず、あえてMovable Typeを採用したのはなぜだろうか。
「いくつか理由があります。まず、自社のCMSは、発行日やバックナンバーの管理など、雑誌的な考えに基づいて作ったものだったので、ブログとしては使い勝手がよくなかったこと。また、SEO対策に優れているという点もあげられます」(河野さん)。

自社CMSはいちから開発するため、ある機能に特化されている一方で小回りがききづらいという面がある。汎用性にすぐれたMovable Typeは、その欠点を補うという意味があるようだ。
IPアドレス制限の問題もそのひとつ。自社CMSはセキュリティに配慮し、登録したIPアドレスからのみ更新が可能になっている。編集部で原稿を編集するという従来型の記事掲載の場合には問題がないが、ブログのように直接外部ライターが更新を行う場合には不都合が生じる。

「私のブログ(青木陽子の東京-ロンドン編集後記)と『バスクの砂糖壷』はMovable Typeで運用しています。『バスクの砂糖壷』は、フランス在住のライターさんが現地の声を届けるブログです。原稿作成から更新までお願いしているのですが、専用線接続ではないので、IPアドレス制限に引っかかってしまうんですね。Movable Typeでしたら、問題なく更新できます。私もあちこち移動することが多いので、旅先からでもブログを簡単に更新できるのは助かっています」(同社 取締役/ファウンダー 青木陽子さん)。

「バスクの砂糖壷」では、バスク在住のライターが日々の生活や料理のレシピを綴っている。2005年5月開設で固定ファンも多い
「バスクの砂糖壷」では、バスク在住のライターが日々の生活や料理のレシピを綴っている。2005年5月開設で固定ファンも多い

また、導入が簡単だというアドバンテージもあると言う。
「会社案内や、プレスリリースを掲載するカンパニーサイトもMovable Typeで構築しました。実は、以前は会社情報がきちんと更新されていない状態だったんですね。広報専任がいないこともあり、なるべく手間のかからないものを用意する必要があり、導入しました」(河野さん)。

「プレスリリースなどは、できるだけ即座に公開したい。更新が簡単なMovable Typeが適していると思います」(同社メディアサービス部 システム制作課 原洋介さん)。
導入後は、以前に比べ、新しい情報がすばやく掲載されるようになったとのことだ。

■主張や意見を鮮明にするブログでのやりとり
青木陽子さんのブログ『青木陽子の東京-ロンドン編集後記』は、前述のとおりMovable Typeで構築されているが、実は『cafeglobe.com』のオープン直後からある息の長いコンテンツだ。今でもバックナンバーを読むことができるが、当初から環境問題やフェミニズム問題など、骨のある内容を取り上げ続けているのがわかる。
アメリカでブログによるジャーナリズムが話題になる以前から、すでに同じような性質のコンテンツを掲載していたことになり、ブログへの移行は自然なことだと思える。

「もともと、私は『我思うゆえに我書く』というスタンスが強いので、ブログとの相性はよかったのだと思いますね。せっかく時間をかけて書くのだから、自分の意見を発信したいという思いはあります」(青木さん)。

「青木陽子の東京-ロンドン編集後記」は、更新頻度はそれほどではないものの、毎回読み応えのある内容だ
『青木陽子の東京-ロンドン編集後記』は、更新頻度はそれほどではないものの、毎回読み応えのある内容だ

ブログ移行後は、コメント欄やトラックバックの開放も行い、積極的に読者との意見交換を行っている。時にはコメント欄で熱い論争が繰り広げられることもある。以前、青木さんのブログで、チャリティ運動への賛同を示す「ホワイトバンド運動」について取り上げたことがあるが、その意見を巡り、多くの意見が寄せられた。反論も多かったが、辛抱強くていねいに返事をしていく青木さんの姿勢に好感を持った読者も多かったようだ。

「反対意見であっても、誠心誠意意見を述べてくれているのであれば、時間が許す限りとことん付き合いたいと思っています。こちらも本気で書けば、炎上しているように見えてもいつかは収まると思います」(青木さん)。

また、重要なのは、ブログ上には現れない"オーディエンス"の存在を意識することだという。
「ブログ上にはネガティブなコメントばかり付いていても、その裏には見ているだけの人もいる。コメント上では相手に勝たなくてもいい、というある意味での諦めは必要ですね。きちっと説明していれば、オーディエンスの人たちはわかってくれます。あとから直接、このときのコメント欄での対応についてよかったといってくれる人もいました」(青木さん)。

企業ブログでは、炎上を恐れるあまり、コメント欄を閉じてしまう場合も多い。
「コメント欄を開放しない企業のブログを見ると、もったいないなと思いますね」。
それは、青木さんのようによい対応ができれば、炎上寸前のような状態でも、逆に味方に付けることもできるからだ。
「本当は情報を公開したり、信用を勝ち得たりするチャンスなんですね。注目もされますし。正しいことをしているという自負があり、誠心誠意対応すれば、リスペクトを得ることに繋がります」。

コメント欄では活発な議論が展開されることも。付いたコメントには可能な限り真摯に向き合う姿勢が見て取れる
コメント欄では活発な議論が展開されることも。付いたコメントには可能な限り真摯に向き合う姿勢が見て取れる

ただ、日本の企業がコメント欄を閉じてしまうのは、日本の風土に根ざすところもあるのではないか、と青木さんは言う。ディベートが活発な欧米諸国に比べ、日本では、強い意見表明やコメントでの議論はまだまだ一般的とはいえない。

「コメントで意見交換をしているだけで、ケンカと見られてしまう風潮もあり、それを避けるためにコメントを閉じてしまうのかもしれないですね」と青木さんは言う。しかし、その状況も徐々に変わってきた実感もある。

「掲示板が一般的になってきたころに、これで日本人の気質も変わるかなと期待したんですが、思ったほど急激には変わりませんでした。でも、少しずつながら裾野は着実に広がっている実感はあります。以前よりは、言いたいことを言っても許される気がしますね。噛み付いてくるようなコメントも減りました。かつては、新聞やテレビなどによって統制された意見しか流通しなかったのが、ブログが広まることで"本物の生の声"がみんなに届くようになりましたよね。世間の意見には、もっと多様性があるということをみんなが知るようになったんです。これは大きな変化だと思います」(青木さん)。

『cafeglobe.com』では、ユーザーがブログを持てるブログサービスも提供されている。そこで強い意見を押し出しているブログは多くないというが、「単なる日記のように見えるブログにも、ちらっと本音は出てくるものですよ」と青木さんは言う。

「私の理想のインターネットワールドは、もっといろいろな意見が飛び交い、議論が深まるような場所なんですが、まだそこには至ってないですね。私たちがそれだけ呼びかけられていないかもしれません。『cafeglobe.com』でも、強い思いのある人が集まって発信してもらえる場を提供できればと思っています。ここは女性向けのメディアなので、モノの言える女性たちを組織して、突き進んでいければいいと思いますね」。

青木さんのブログは、ブログが本来持つパワーをあらためて認識させてくれる。そのパワーは、個人だけでなく、企業のブログでも十分に活用できるものだ。最後に、青木さんはこんな言葉で結んでくれた。

「我こそが!というブログユーザーのかたは、ぜひ連絡をください!お互い元気付けあったり、サポートしたりしながら、うちのプラットフォームで、なにか一緒に形にできたらいいですね」。

お話を伺った原さん、青木さん(左から)
お話を伺った原さん、青木さん(左から)

事例データ
Movable Type(基本ライセンスパック)
・ブログをはじめた時期:2003年ごろ
・はじめた理由:ブログツールとして。自社のCMSを補完するため。
・制作を担当したのは:自社
・何か手ごたえはありましたか?:読者との意見交換の場となった。企業情報の公開をすばやく行えるようになった。

(文:森嶋 良子)

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