導入事例

デコジャパン株式会社 コーポレートサイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
岡崎市民会館 公式サイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
一般社団法人 西東京市伝統文化育成会 公式サイト - MovableType.net 導入事例
画家 小高朋恵 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社フラワー不動産 ウェブサイト- Movable Type クラウド版導入事例
浅野肖像画工房 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社ヨシダ工業「Glanz(グランツ)」ウェブサイト- Movable Type 導入事例

日刊サイゾーがMovable Typeを使う理由

日刊サイゾー様
他のCMS導入も検討したのですが、PVがかなり多い(日刊サイゾーのPVは現在1,200万/月)ため、PHPを使った他のCMSでは閲覧側の負荷が耐えられないと判断し、Movable Typeを使い続けることにしました。

日刊サイゾー」は1999年に創刊された月刊総合情報誌「サイゾー」のウェブ版として、2007年にスタートした日刊ニュースサイトだ。雑誌メディアのプロフェッショナルが運営するウェブメディアとはどのようなものなのだろうか。プロデューサーである株式会社サイゾーの川原崎晋裕さんにお話しを伺った。

オリジナル記事を日々配信

日刊サイゾー

日刊サイゾー

  • 1,200万PV/月
  • 5本 /日配信

「日刊サイゾー」がスタートしたのは2007年9月、サイトオープンのきっかけは、面白いけれどもネタの賞味期限が短く、月1回発行の月刊誌では使えない記事の有効利用だという。 「月刊誌を作っていると、とてもおもしろいのに発売日には古くなってしまうため、泣く泣くボツにせざるを得ないネタが日々あるわけです。そういうものを配信できるサイトを作りたいと思ったのがそもそものきっかけです」

メンズサイゾー

メンズサイゾー

  • 500万PV/月
  • 4本/日配信

サイゾーウーマン

サイゾーウーマン

  • 800万PV/月
  • 4本/日配信

2008年10月には女性向けの「サイゾーウーマン」、2009年6月には男性向けの「メンズサイゾー」がオープンし、現在「日刊サイゾー」には、それぞれのサイトからの記事も含め、毎日8本程度の記事が公開されている。また、これらの記事は「Yahoo! ニュース」や「ライブドアニュース」などの大手ニュースサイトにも配信されており、そこからのトラフィック誘導がサイトPVの大きな流入源になっている。

スタート当初は雑誌からの転載記事も多く、ウェブオリジナルの記事は全体の半分程度であったが、現在は完全にウェブオリジナルの記事のみを配信しており、雑誌に掲載された記事は「プレミアサイゾー」という別サイトにて月額525円で有料公開されている。

「ギズモード・ジャパン」の成功からMovable Typeを採用

「日刊サイゾー」はオープン当初からMovable Typeが使われている。その理由としては、当時まだ同じ会社の別部署が運営していた「ギズモード・ジャパン」(現在は株式会社メディアジーンが運営)の成功があったという。

「ギズモード・ジャパンがうまくいっていたので、立ち上げ時も特に悩むことなくMovable Typeを使うことにしました。実はサイゾーウーマンなどの新規サイトをオープンする時に他のCMS導入も検討したのですが、PVがかなり多い(日刊サイゾーのPVは現在1,200万/月)ため、PHPを使った他のCMSでは閲覧側の負荷が耐えられないと判断し、Movable Typeを使い続けることにしました。」

実際かなりのアクセスが集中したときでも、ほぼ問題なくサイトは閲覧できているという。

もちろん「サイゾーウーマン」、「メンズサイゾー」、「プレミアサイゾー」もすべてMovable Typeが使われており、現在合計4つのブログをMovable Typeで運用しているという。

ただし、「プレミアサイゾー」の会員認証・管理・課金の部分だけはXOOPSによって開発されている。
「最初はすべてXOOPSだけでやるつもりだったのですが、XOOPSの管理画面は使いにくいため、実際に入稿作業をする編集スタッフの利便性を考えて、無理を言ってブログ部分はMovable Typeで作ってもらったんです。」

カスタムフィールドを利用した「おすすめ記事」

「日刊サイゾー」のページレイアウトはオーソドックスな3カラム形式となっている。ヘッダー部分には「おすすめ記事」と「人気記事ランキング」が、左カラムには「最新記事」や「注目のキーワード」といった記事への導線が、右カラムは広告バナーが配置されている。

「右カラムは全ページ同一ですが、左カラムの要素は、ウィジェットを使ってトップページと個別記事ページで表示される内容をわけています。」

メンズサイゾー

さらに「メンズサイゾー」のトップページでは、「おすすめ」フィールドにチェックを入れた記事がXMLによって吐き出され、カテゴリーごとにフラッシュで表示される。このとき表示される画像もカスタムフィールドで指定したものである。

左カラムの「注目のキーワード」に表示されているキーワードはすべてタグの名前になっており、クリックするとそのタグが付与された記事の検索結果が表示される。 なお、この部分のソースはテンプレートではなく、外部HTMLファイルに記述されており、テンプレートではiFrameを使ってソースを読み込んでいる。

「Movable Typeの管理画面からテンプレートファイルを編集するよりも、エディターなどでHTMLファイルを編集し、FTPでアップロードする方が効率がいいし、HTMLをよく知らない編集者でも安全に更新ができるのです。サイト内ではここ以外にもいくつかこのような手法を取っているところがあります。」

Movable Typeだからといってデザイン面で諦めたことはない

サイトのビジュアルデザインは、いわゆるウェブデザイナーではなく、サイゾー本誌を作っている「紙」のデザイナーが行っている。

「サイゾーは本誌の方でも必ず一流のカメラマンを使ったりするなど、デザインには強いこだわりがあります。紙のデザイナーなのでちょっとウェブっぽくないかもしれませんが、雑誌のような細かいレイアウトにしたり、場所によっては文字をあえて画像化したりするなど随所で凝った作りをしています。もちろんデザインに関してできなかったことや、諦めたことはありません。そういった意味でMovable Typeは本当に制約のないツールだと思います。」

「日刊サイゾー」、「サイゾーウーマン」、「メンズサイゾー」、媒体によってそれぞれ異なる個性的なデザインが施されている。

「個別記事のレイアウトなど共通部分もありますが、新しい媒体を作るごとに違うところを出していこうと考えています。例えばサイゾーウーマンは女性誌のように見せたかったので、あえてレイアウトを小さく区切り、細かいものがゴチャッとあるような雰囲気を出してみました。」

各媒体の運用のフロー、流れ

毎日多くの記事が公開される「日刊サイゾー」、いったいどのようなフローで運用されているのだろうか。

「月刊誌と違い、日刊のニュースサイトでは編集会議などしている暇はほとんどありません。編集者権限のアカウントを持った編集部員が、日々仕入れたネタをどんどんアップするようにしています。」

改行や文頭の処理、タイトルの付け方、カテゴリーの分け方などに関しては共通のレギュレーションがあり、編集部員および外部ライターは、これに沿って記事を管理画面に入稿する。

外部ライターが執筆した記事は、基本的に編集部員がアップロードするが、一部ライターにはライター権限のアカウントを発行し、下書き状態で勝手に記事を投稿してもらうこともあるという。

有料コンテンツも好調なスタート

プレミアサイゾー

プレミアサイゾー

サイゾーが提供するコンテンツは基本的に無料であるが、唯一の課金コンテンツ(月額525円でバックナンバーも閲覧可)である「プレミアサイゾー」も着実に購読者を増やしている。

「始めた頃は正直うまくいくかどうか不安に感じていたのですが、現在のところなんとか単月で黒が出ているのでひとまず安心しております。初期投資コストの回収はまだまだかかりそうですが」

このサイトでは1ヶ月につき100記事程度を毎日3本くらいずつに分けて更新している。運用もすべて雑誌のスタッフが行っている。

「ウェブ用に文字はInDesignから抜き出して編集し、画像はデザイナーが書き出してアップしていますのでかなり手間はかかっていますが、このサイトは電子出版のような意識でやっていますので、よくある雑誌のWEB版のように版下を単にPDFでアップロードするだけみたいなものはやりたくなかったのです。おかげさまでtwitterやメルマガなどでWEB業界の著名人を始めいろいろな方からお褒めをいただいています。」

アクセス解析に時間をかけるよりも記事のクオリティを重視

編集部内にウェブの専門家はいないそうだが、アクセス解析などのSEO・SEM対策をはじめとするウェブならではの施策は行われているのだろうか?

「google analyticsを始め、3つくらいのツールを使ってはいますが、正直そんなに細かい分析はしていません。そこに時間を費やすよりも、おもしろい記事を書けばPVはすぐに稼げるという考え方です。編集部にはプログラミングはおろか、テンプレートのコーディングができる人間もいませんが、編集能力だけでPVを稼ぐ自信はありますし、実際やっていけてます。WEBの知識に関してはその程度で十分だと思っています。」

ただ、昨今のTwitterの流行には注目しているそうだ。

「Twitterのアカウントは2008年くらいから取得しており、当時からニュースのRSSフィードは投げ続けていますが、記事へのトラフィックに関しては全体の割合からみるとさほど多くありません。それよりもTwitter経由で有料コンテンツであるプレミアにサブスクライブしてくれる人が増えていることが嬉しいですね。」

最近は単にニュースフィードを配信するだけではなく、担当編集者が仕事をしながらいろいろな事をつぶやいているそうだ。

今後試みてみたいこと

今後はどのような展開を考えているのだろうか。

「まず日刊サイゾーの方ではiPhoneでの閲覧に対応しました。まだまだiPhoneでの利用者はそんなに多くないのですが、ユーザーからの要望が多かったもので。また、サイゾーウーマンの方ではモバイル対応もしました。あと、海外向けの媒体を作ってみたいという気持ちはあります。例えばアジア圏で日本の芸能記事を翻訳配信したらおもしろいと思います。しかし残念ながら向こうは広告費がとても安いため採算ベースに載せるのは難しそうですね。」

このように好調なサイゾーのウェブ展開だが、紙の雑誌の方に未来はあるのだろうか。

「確かに最近は雑誌のサイゾーを知らない読者が増えています。特に若い人の間では完全に逆転していますね。私自身は、それ自体特に問題であるとは考えていません」

では近いうちに紙メディアはなくなってしまうのだろうか。

「いえ、やっぱり雑誌がある意味は絶対にあります。例えば「サイゾー」という雑誌のブランドがないと集まってこない記事やコネクションというのが実際あるのです。もしかしたら、いつかはなくなってしまうかもしれませんが、少なくとも今は必要なものだと考えています。」

「現在、うちのように紙メディアとウェブメディアを同時に作っているところはあまりありませんので、その部分は大きな強みになっていると思います。でも、出版社がウェブに本腰を入れるようになり、紙を知っている人がこちらに入ってくるとなると脅威ですね。」

日刊サイゾーの最大の強みは、ウェブだけではなく紙メディアで十分な経験を積んだスタッフの存在だ。新しい雑誌出版のあり方をいち早く切り開いてきたサイゾースタッフの次の一手に期待したい。

お話を伺った株式会社サイゾーの川原崎さん
お話を伺った株式会社サイゾーの川原崎さん

事例データ

  • Movable Type 4 
  • サイトを公開したのは:2007年9月
  • はじめた理由:雑誌では使えない記事を活用したかった
  • 制作を担当したのは:コーディング以外は自社
  • 何か手ごたえはありましたか?:ウェブ単体で採算が取れています

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