求人広告などへのメディア出稿や企業のウェブサイト制作、業務システム開発などを手がける株式会社ロケットスタートホールディングス。北関東エリアと都内のマーケットを中心に、地域に根ざした企業の経営課題解決を支援する同社は、クライアント企業のウェブサイト制作基盤として、Movable Type(MT)をSaaS形式で利用できる「MovableType.net」(MT.net)を採用した。採用の経緯や導入効果等について、同社 代表取締役社長 星栄一さんにお話を伺った。
「オウンドメディアがない」ローカルビジネスの課題に寄り添う
ロケットスタートホールディングスは、人材紹介サービス・メディア大手のリクルートで求人広告事業に長く携わってきた星さんが、2014年に設立した。
「企業の採用広告に長く携わる中で、採用以外にもさまざまなお客様の課題に向き合ってきました。人材採用は、企業の事業成長のための重要な戦略の一つですが、お客様の課題はそれだけではありません」(星さん)
お客様から「人材を採用したい」という相談が寄せられても、詳しく聞いてみると本質的な課題は別のところにあるケースがある。
「例えば、人を増やしたいという課題は、ITシステムの導入によって業務を効率化することで解決できるケースがあります。お客様が何に困っているかをくみ取り、解決することを大事にしてきました」(星さん)
そこで、人材メディアへの広告出稿に加え、クライアント企業の広告制作を手がける「メディア事業」と、サイボウズ社の製品を利用した、業務システムの開発を主軸とする「IT事業」を柱とし、「人材✕IT」をコンセプトにローカルビジネスの成長をサポートするのがロケットスタートホールディングスだ。
同社には、つくば市や宇都宮市などを中心に、都内を含めると1200〜1300社のクライアントがいる。星さんは「人材不足で採用が難しい時代に、企業は求人広告だけでなく、オウンドメディアを通じて自社の魅力を伝えていくことが欠かせない」と述べる。
「サイトの重要性が高まる一方で、ローカルのお客様の中には、サイトを持っていないところもあります。そこで、広告出稿で蓄積したクリエイティブなどのノウハウを生かし、お客様のオウンドメディア制作をお手伝いしています。」(星さん)
サイト制作時には、導入や運用のコストが少なく、スピーディに構築できることや、日々の情報を更新するクライアント企業が、専門的なスキル無しで簡単に使えることを重視した。そのためのツールとしてCMSの採用は必須であると判断し、その選択時にはサイト構築後の運用コストにも配慮した。
「これまでオープンソースのCMSを利用してきましたが、無料で使えるものであればコストを抑えられるかというと、そうではありません。例えば、サーバー管理やCMSのセキュリティアップデート、ドメイン管理など、目に見えにくいコストや手間があり、サイトが増える度に運用コストが増えていくことが難点でした。そうした負担をできるだけ抑えて、お客様がより、本業に集中できるような仕組みが必要だったのです」(星さん)
「早く」「安く」「使いやすく」「運用負荷が圧倒的に少ない」CMSとして
「ローカルの中小企業が使いやすく」「コストパフォーマンスが高く」「早く制作できる」ことを条件に、CMSを探していたところ、「MT.net」の存在を知った。
「昨年の12月頃、『MT.net』を知り、詳しく検討したところ、ランニングコスト、イニシャルコストが安価で、デザインテンプレートとサイトに必要な機能がパッケージされたデザインテーマ(※)があり、それをベースにデザインすれば、それほど専門的な知識のない広告制作のチームでも、サイトをスピーディに構築できることが分かりました」(星さん)
※ MovableType.net のデザインテーマは、レスポンシブデザインで設計され、管理画面も運用時の作業を考慮してカスタマイズされています(テーマギャラリーはこちら)。
さらに、SaaSモデルでサーバーやCMSの保守はまったく必要がないため、運用の負担が圧倒的に少なく、コンテンツのブラッシュアップなど、よりお客様のご要望への対応に集中できるという点も決め手となった。
星さんも、「クオリティ」と「スピード」の重要性をポイントに挙げる。
「我々は、これまでのメディア出稿で培ったクリエイティブのノウハウやクオリティを強みにしています。これを、より廉価で、より早くお客様のサイトとして形にしていくのに、MT.net が最も優位性が高いと判断しました」(星さん)
MT.net を用いた構築案件はすでに約10社の実績。モバイル最適化も容易に
MT.net を用いたサイトの構築案件は、2017年に入ってから本格化した。星さんによると「現在、サイト制作の案件は、ほぼ MT.net を使った案件となっており、この3カ月間で、すでに8社の導入実績がある」ということだ。
お客様の中には、事業自体もはじめたばかりというお客様もいる。「ホームページをどうしたら……」という悩みに対しても、星さんは「我々がドメイン名の取得、メールの設定からサポートしている」という。
「これまで求人広告で培ったクオリティの高い写真、テキストといったクリエイティブの総合力が当社の強みです。そこに、MT.net が相まって、標準で装備されているデザインテンプレートを活用しながらサイト制作を早めることと、質の高い写真、ライティングで『コンテンツの質』を高めるために注力すべき部分のバランスを重要視しています」(星さん)
地域に根ざしたローカルのお客様のオウンドメディア制作を MT.net を使って支援している
つくば市にある私立高校では、入学希望者に向けて学校の魅力をPRしたいという課題を持っていた。
「MT.net を使ってホームページをリニューアルしたところ、特に現場の先生に好評だったのは、使い勝手の良いUIで、1回の説明ですぐに操作を習得でき、自分たちでも簡単に情報を更新できる点でした」(星さん)
入学希望者向けに情報を公開する機能のほかにも、在校者や関係者に向けた校内の情報発信、コミュニケーションのプラットフォームとしても活用している。
「これまで、紙で印刷、配付していた各種プリント類も、PDFファイル化して MT.net を通じてサイトにアップし、ベーシック認証をかけて、関係者だけに閲覧させることができるようにもなりました。また、行事やイベントなどのリアルタイムな情報発信にもブログを活用していただいています」(星さん)
これにより、ペーパーレス化と先生の業務負荷軽減、学校内外へのリアルタイムな情報発信が可能になった。さらに、閲覧環境として、モバイル最適化も大きなポイントだ。
「スマートフォンからサイトを閲覧する学生が多く、スマホ最適化は必須です。MT.net は、ベーステーマがすべてレスポンシブデザインで設計され、スマホ対応も容易でした。動画の埋め込みなども簡単に行えるので、スマホ世代向けのサイト、コンテンツ作りも簡単に対応できます」(星さん)
「MT.net は、一つひとつ機能もよく考えられているし、必要な機能が随時アップデートされていく。ユーザー、Webデベロッパーのことを第一に考えているサービスだと思います」と星さんは言う。今後は、サイト更新時に各SNSと連動できる「投稿連動機能」があるとありがたいと期待を述べた。
今後もお客様の課題解決を第一に「100社導入」をめざして
今後の展望について、星さんは「お客様第一。お客様の成果にこだわっていきたい」と述べる。
「CMSに何を使っているかは、お客様にとってはまったく関係ありません。当社はお客様の課題を解決することを第一に考えていきたいですし、そうしたビジネス要件に最も合致したCMSとして、MT.net を使ったサイト制作の実績を、今後はさらに増やしていきたいです」(星さん)
現状、8社の導入先を、すこしでも早く100社にまで伸ばしていくのが当面の目標だ。そのための環境は整備されており、特に、「構築後のメンテナンスコストが低い」MT.net の特長を発揮することで、ドライブがかかっていくことが期待される。
Web開発者が直面するお客様の課題を解決する「お客様ファーストのCMS」として、今後も MT.net は、同社のビジネスを強力にサポートしていくに違いない。
ロケットスタートホールディングス 星 栄一さん
事例データ
- 使用した製品:MovableType.net
- MovableType.netを採用したサイト制作は:2017年1月より本格化
- MovableType.net採用の理由:「ローカルの中小企業が使いやすく」「コストパフォーマンスが高く」「早く制作できる」点が決め手に
- どのような手ごたえがありましたか?:お客様が簡単に情報を更新でき、サーバー等の保守、運用の負荷が圧倒的に軽減され、より本業に集中できるようになった