柏堤会（戸田中央医科グループ）は神奈川県横浜市にある「戸塚共立第１病院」を中心とする医療法人です。3つの総合病院の他、いくつかの特徴的なクリニックや、介護老人保険施設、訪問看護ステーションなどを運営し、近辺の医療に貢献している。同会に属するレディース総合クリニック「戸塚共立サクラスクリニック」と、健診センター「戸塚共立メディカルサテライト」は、2010年6月よりMovable Typeを使ったサイトのリニューアルを行った。その内容についてそれぞれの担当者から詳しいお話しを伺った。
女性患者に特化したクリニック（レディース総合外来）
「戸塚共立サクラスクリニック」は女性専用の総合クリニックです。医師を始めとして、検査技師、放射線技師、職員、すべてが女性となっており、マンモグラフィを使った乳ガン検診の他、内科、乳腺外科、皮膚科、肛門外科、消化器外科、心療内科などの専門外来診察を受けることができる。
同クリニック開業の経緯について、 事務責任者の斉藤透さんはこのように語ってくれた。
「もともと戸塚共立第1病院には乳腺外来があり、乳ガン検診には定評があったところ、戸塚駅前の再開発で機能分化を考え、去年の12月開業にいたりました。」（斉藤さん）
クリニックの最大の特徴はなんと言っても医師、検査技師、放射線技師を含めた職員すべてが女性であることだろう。これはどういう意図があるのだろうか。
「マンモグラフィを使った健診を、毎日（日曜をのぞく）駅から5分の便利な場所で受けられ、あわせて乳腺外科医師の診断も受けることができるというのがスタート地点でした。しかし当クリニックはそれだけではありません。更年期障害（内科・漢方）、デリケートケア（皮膚科）、痔（肛門外科）、メンタルケア（心療内科）、尿漏れ（泌尿器科）といった男性医師に診断されるには抵抗がある女性特有の症状を、女性医師によって診てもらうことができるのです。」（斉藤さん）
女性患者を専門としたレディースクリニックは多いがその多くは婦人科であり、このように一般外来を多くそろえたクリニックはあまり例がないという。
安心できる来やすいイメージをアピールしたサイト
独立したクリニックの開業前から女性医師による乳ガン検診が受けられる病院としての評判は高かったものの、その他の外来についてなかなか周知が広がらなかったため、2010年2月にPRを目的としたウェブサイト製作をプロネット会員である株式会社GENOVAに依頼した。
「最低限の情報を記載した簡単なサイトは開院時から作成していたのですが、今回GENOVAさんに医師を含めた現場スタッフから話しを聞いていただき、一からコンテンツを作成しました。デザインや写真撮影もすべてお願いしました。われわれの声に真摯に耳を傾けていただき、安心してお任せできました。」（斉藤さん）
依頼から4ヶ月たった6月1日にMovable Typeを使用したサイトがオープン、ピンクを基調としたやわらかいデザインと、スタッフ全員が笑顔で収まった集合写真が印象的なサイトだ。
「ピンクを使ったのは女性が来やすいようなみずみずしい印象を出したかったからです。集合写真を使用したのも、顔が見えて安心できる相談しやすいクリニックであることをアピールするためです。」（GENOVA WEB制作部 齋藤尭紀さん）
サイトには検診・外来の説明といったクリニックの案内や、横浜市が発行するクーポン制度の説明、定期的に行われる日曜検診といったイベントの告知などがわかりやすく表示されている。また、SEO対策にも力を入れているそうだ。
「『サクラスクリニック』や『乳ガン検診』といった当たり前のワードだけではなく、『あせも』、『痔』、『マンモ』といったワードでもヒットするように作ってもらっています。」（斉藤さん）
このような施策が奏功し以前の仮サイト時代に比べて、PV数で約5倍、滞在時間も大幅に増えているという。問い合わせの電話も増え、初診時のアンケートの結果などからも、サイト作成による直接的な効果を実感しているそうだ。もちろんサイトによる告知だけではなく、テナントビルで働く女性にチラシを配るなどの地道なPR活動も忘れていない。
今後は携帯電話やスマートフォンへの対応や、検診の予約情報の表示といった、更なるコンテンツの充実を図っていきたいとのことだ。
受付の上條紋子さんと事務責任者の斉藤透さん
専門の施設でゆったり受診できる総合検診センター
2007年の9月にオープンした「戸塚共立メディカルサテライト」は、本格的な人間ドックから、健保を使った一般検診まで、様々な種類の健康診断を行うことができる総合健診センターだ。この施設の特徴について主任の亀山幸江さんとウェブ更新を担当する山口徹さんに話しをうかがった。
「まず医療法人柏堤会がバックボーンにあり、健診で異常が見つかった場合、すぐにご紹介することができる事が最大のメリットです。また、当センターは健診のみを専門に行っていますので、病院内で受ける健診のように一般の患者さんと顔を合わせることがありません。施設も新しくきれいですので、ゆったり安心した気分でうけていただくことができます。。」（亀山さん）
確かに病気になったわけでもないのに病院に行って検査を受けるのは少し気が重いが、ここならそんな気分になる心配はない。茶色を基調にしたセンター内のインテリアも病院とは異なり、ホテルのロビーのような印象だ。
集客にはやはりウェブサイトが重要
今回リニューアルを行った最大の理由は、インターネット経由の受診申込者の急増だという。
「去年あたりから、病院施設検索サイト『ここカラダ』経由で申し込みをされる方の割合が著しく増えています。今のお客様がネットの情報を参考にして病院や健診施設を選ぶというのは痛感しています。やはりお客様に見ていただくなら、よりよいサイトを作ろうということでGENOVAさんにリニューアルを依頼しました。」（亀山さん）
「サクラスクリニック」と平行して開発が進められ、同じく6月にオープンした新しいサイトは、検索経由の訪問者に対して施設や健診メニューをわかりやすく説明することに主眼が置かれている。
「以前のサイトには必要最低限の情報しか載っていなかったので、今回は十分な情報に加え、駅から近い健診専門施設、病院がバックボーンで安心、きれいな施設でリラックスして受診できる、といった特徴をわかりやすく打ち出せるようにしました。また、デザイン面では茶色を基調にし、ゆったりとした雰囲気を出すよう心がけました。」（GENOVA 齋藤さん）
予約状況が一目でわかるカレンダー表示
以前は電話で問い合わせるしかなかった人間ドックの予約状況を、カレンダー形式で見られるようにしたのも好評だ。あらかじめサイトで空いている日を確認したお客様がピンポイントで日程を指定してくれるため、わざわざ電話口で調べる手間が省け、時間短縮になっているという。
「院内の予約システムを見ながら、2日に1回くらいブログのカレンダーを更新しています。現在は手動で○、△、×、を入力していますが、もう少し入力しやすいよう改善をお願いしているところです。将来的には院内システムと連動した完全自動の予約システムができれば最高ですね。」（山口徹さん）
また、以前からセンター内の栄養士が毎月作製している、季節の健康レシピなどを載せた「センター便り」も好評だ。30代を過ぎたお客様から人気のあるメタボ教室など健康に関する催しなども積極的に行っており、その情報はサイトで随時案内されている。
「今後は栄養士による、特定保健指導（メタボ健診）に対するメール相談の受付などもできるといいなと考えています。」
リニューアルしてから日も浅く本格的な効果測定は行っていないが、新しいサイトの効果は確実に実感しているという。
GENOVA CMS
なお、上記2つのサイトは、WYSIWYG高機能エディタの追加やフォーム機能の強化など、Movable Typeの更新作業をさらに簡便にする株式会社GENOVAが開発した「GENOVA CMS」というプラグインが利用されている。このプラグインにはGENOVAのノウハウを活かした強力なSEO対策が行われており、狙ったキーワードを確実に上位表示することが可能、上記サイトもその恩恵を受けているという。
事例データ
