広報ブログ
シックス・アパートの広報より、社内のさまざまなトピックをお届けします。
Six Apart Day 2012 ( #saday) を開催しました
こんにちは。シックス・アパート高橋です。
12月2日に、シックス・アパートの2012年に向けての戦略を発表するイベント「Six Apart Day 2012」(#saday)を開催しました。
2012年12月2日はシックス・アパート日本法人の創業8周年の日でした。
親会社である原宿のインフォコム株式会社の会議室には、120名程の方にお集まり頂きました!
シックス・アパート 2012年の事業戦略
一番最初のセッションは代表取締役の関より、2012年のシックス・アパートの事業戦略の説明をさせて頂きました。
シックス・アパートのコンセプトは3つあります。
- 独立して中立であること
- パイオニアであること
- フレンドリーで愛される存在であること
その上で、ビジネスとしてフォーカスしているのは、
- インターネット・ウェブ
- B2B
- テクノロジー
の3つです。
シックス・アパートの2011年は継承の年。
昨年、米シックス・アパート社はビデオエッグ社と合併し、Say Media 社になりました。
そして2011年1月はシックス・アパート日本法人の全株式をインフォコム社が取得し、Movable Typeの知的財産等の権利や、「Six Apart」の商標を米国法人から日本法人が譲り受けるなど体制が大きく変わりました。
2012年は「成長と拡大」の年とします。
それを踏まえ、シックス・アパート製品(Movable Type、TypePad、Lekumo、Zenback)のスコープも関より説明しました。
(この後、より詳細に各プロダクト担当よりプレゼンさせて頂いたので割愛します。)
2012年以降も、現在の我々の製品の提供を続けていく、国内だけではなく、海外も視野に入れてビジネスを行い、そしてフレンドリーさを持ち続けていきたい、と締めくくりました。
MT5で実現するマルチデバイス、クロスプラットフォーム
続いてMovable Type 事業担当執行役員の金子より、Movable Typeの現在の状況と、今後の方針について説明させて頂きました。
今年でMovable Type は10周年。
今やMovable Typeは、商用版は1ヶ月の間に数百千件以上導入されており、オープンソース版は、1日に数千ダウンロードされています。
10年続くCMSの役割は、ユーザのWebサイトが10年後も成長を続けられるものであるべきだと考えます。
2011年から2012年の重点領域は、
- ソリューション:スマートフォン対応の強化
スマートフォン向けのデザインテーマとMT管理画面がスマートフォンから操作できるようになった「スマートフォンオプション for Movable Type」を11月16日にリリース(個人無償版もあり)。12月6日には、「スマートフォンオプション」、「ケータイキット」とMT5のライセンスをセットにした「Movable Type 5 モバイルパック」(12万6000円)をリリースします。 - 標準機能(MovableType5.2):マルチデバイス、ソーシャル対応に不可欠な機能を整備
Movable Type 5.2では、マルチデバイス、ソーシャル対応に不可欠な機能を整備していきます。現在要件定義フェーズ、5.2のリリースは2012年(時期未定)を予定しています。
- MTコア:セキュリティ、クラウド
今後はIE9は5.13で対応予定、Safari,Firefox最新版は、5.1x各マイナーバージョンで追従、Chrome最新版はバグ報告があれば対応。また5.13では認証機能の強化、不正ログイン防止機能に対応していきます。
続いて、クラウド事業開発担当の作村より、クラウド型のMovable Type のトライアルの提供方式についてご説明させて頂きました。
MovableTypeトライアルの提供方式はクラウド型に
現在Movable Type のトライアルは、問い合わせフォームで受け付けて、担当者より追ってプログラムソフトウェアを送付する形をとっていますが、2012年中に、Movable Type のトライアルはクラウドで提供するようになります。
まずはMovable Type のトライアルからクラウド対応を進めていきますが、シックス・アパートのクラウド事業構想はまだごく一部です。この件についてはまた日を改めて発表させて頂く予定です。
この後に続いて、シックス・アパートのパートナー3社によるパネルトークが行われました。
スマートフォン時代へ向けたアイデアマンズの取り組み
アイデアマンズ株式会社 宮永邦彦さんのトークの中で、同社の「ケータイキット for Movable Type」は2006年に提供開始して以来、これまで1915本のライセンスが使われていることや、スマートフォンとガラケーにも対応する、共通のテンプレートとCSSでマルチデバイス対応を実現する、ケータイキットの次期バージョンを開発中とのお話をいただきました。
さらに、ページの読み込み時間が高速化ができる、2倍強リクエスト時間が早くなる「FastPage」を開発中で、現在ベータ版公開中、商用版は来年1月に提供予定だそうです。
Alfasado is the Hub of theMT Community
続いて、アルファサード株式会社の野田さんのセッションでは、「Power CMS for MT」という製品名からMTをとって「Power CMS」になる予定であること、Power CMSは、設計フリー・IA指向で、管理画面が自由に作れるCMSとして、マルチデバイスに対応するCMSへ進化すること、そしてこれまでPower CMSは400以上導入していただいていることをお話いただきました。
さらに、シックス・アパートのZenbackと連携し、CMS管理画面を通じたソーシャルメディアとの連携機能を提供する「Power CMS Social」という製品も準備中であることを説明して頂きました。
さらに2011年11月、Dynamic MTMLはアルファサード株式会社からシックス・アパートへ権利を移譲しました。
アルファサードのgithubでは51のレポジトリが公開されています。その中ではMTタグとCake PHP、MTタグとWordpressを連携するようなプロジェクトも公開されています。
DESIGN + MT
最後のパートナーパネルトークは、合同会社アライアンスポートの大和さんより。Movable Typeによるデザインについてのお話がありました。
MTタグがあることで安全にデータベースからデータを引き出せることはデザイナーにとってとても有益な事である、見た目のことだけではなく、製作過程全般についての方法論についてお話いただきました。また、アライアンスポートが中心となって運営しているプラグインレーベルの「3rd Focus」の紹介もありました。
ソーシャルメディアをもっと身近に! Lekumo & Zenback ファミリーの製品戦略
続いて第二部です。
前段として、新規事業開発担当 シニアディレクター 杉田より説明。
広報活動や宣伝で、ソーシャルメディアが大きな影響を与えています。個人の53%がソーシャルメディアを利用しているのに、企業の利用率は10.2%しかありません。
新しいメディアには新しいコミュニケーションのルールが必要であるとし、ソーシャルメディアを使って、企業と顧客のコミュニケーションがより良くなるようにお手伝いするツールとして登場したのが「Lekumo」と「Zenback」ですとお話いたしました。
Lekumo キャンペーンビルダーで作る、実践Twitterキャンペーンサイト構築術
プロダクトマネージャーの大越より、今年10月に登場したばかりの新製品「Lekumo キャンペーンビルダー」についてご紹介させて頂きました。
Lekumo キャンペーンビルダーとは、今流行りのTwitterキャンペーンを簡単に作れることがサービスです。
一般的なTwitterキャンペーンでは、応募するユーザーに公式アカウントをフォローしてもらい、リンク付きのツイートをつぶやいてもらうことで拡散、回遊させる仕組みですが、この流れを製品に取り込んでいます。
ASPサービスなので、会員登録してログインして、数クリックでベースとなるキャンペーンサイトができます。
ツイートするボタンや、キャンペーンサイトにつける「いいね!」ボタンもはじめからテンプレートに入っており、ベースとなる素材や、一般的な応募規約の文面ははじめから入っているので、Twitterアカウントや最小限の素材を用意するだけですぐにキャンペーンをはじめられます。
OGPやFaviconにも対応していて、CSSの編集もできるので、サイトの作りこみも充分に可能です。
効果測定の画面も用意されていて、ツイート数やツイートしたユーザー数、ツイートがリーチしたユーザー数のデータをグラフで見ることが可能、また、ユーザー名やアイコン、公式アカウントをフォローしたかどうかのデータとともに、CSVでダウンロードもできます。
今後は、サイトテンプレートの拡充を行っていく予定で、年明けにはTwitter診断メカーのようなテンプレートをリリース予定です。
また、Lekumoキャンペーンビルダーの無料トライアルをはじめました。31日間機能制限なしで、申し込んですぐにお使いいただけます。
「ソーシャルメディアの商用利用意識調査」から見える「Zenback ADS( アド)」活用法
続いて製品担当の田村より、シックス・アパート初めての広告商品である「Zenback ADS」についてお話させて頂きました。
Zenbackとは、関連するブログ記事をつなげるブログ横断ツールで、一方気になる話題をひろげるソーシャルメディア連携ツールでもあります。
Zenbackのユーザー層は、ソーシャルメディアの達人が集まっているはず、という仮説のもと、ソーシャルメディアの利用実態調査を行ないました。
調査の結果、Zenbackユーザー&読者のTwitter利用率は高く、登録率は93%、毎日使う人は74%。一般と比べてかなり高い数値で、Zenbackユーザー&読者はソーシャルメディアに通じたひとだと言えます。
このようにネットに慣れたZenbackユーザー&読者ですが、企業の公式アカウントをフォローしている人は75%、キャンペーンに2回以上参加したことがある人は50%。こうしたことから、企業のソーシャルメディア活用に関して、寛容で積極的に利用していると言えます。
こうしたユーザー層、読者層を持つZenbackに広告を表示できるのがZenback ADSです。担当者とダイレクトにコミュニケーションが取れ、必要なものはTwitterアカウントだけなので、クリエイティブの作成も安価で時間がかかりません。
いますぐ出稿できるZenback ADS ぜひお試しください。
いま、5万回の表示まで無料で行なっています。
@zbcf 宛につぶやくだけです。
現在、表示回数を5倍、40倍にできるキャンペーンも行なっています。
パネルディスカッション「ソーシャルメディア時代だからこそ考える、自社メディアの在り方」
イベントの最後は、
「今、PRやマーケティング活動でのソーシャルメディアの活用が流行しています。ノウハウを溜めるべく企業自身がトライを繰り返し、またはノウハウ提供や企画/運営を商品化する各種代理店やコンサルティングファームも多数出てきている昨今、企業メディアとブログの在り方について、その創成期からブログや自社メディア、メディアの構築に大きく貢献している識者の方々と、多角的に語り合うパネルディスカッションを開催します。」
というテーマのもと、アルファブロガーのネタフルのコグレさん、、インターネット企業を中心にコンサルティングサービスを行う株式会社企(くわだて)の渡辺聡さん、「nanapi」を運営する株式会社ロケットスタート代表取締役の古川健介(けんすう)さんと、シックス・アパートのメディア事業担当の清田の4名でパネルディスカッションを行いました。
そもそも自社メディアとは?の定義については...、
- 「公式Web以外に企業がやったりブログやTwitterやFacebookページなどが含まれているのかなと思います」(コグレさん)
- 「自社で持っているWebサイト全体かなと思います。昔はTwitterは集客ツールでしたけど、今はメディアそのものなのでは」(けんすうさん)
- 「nanapi webというのがあるんですが、最近はページを企業に渡してしまってそこでご自分で発信する場所みたいなのをやったりしています。もちろん、個人のユーザーさんも書いています。我々はそこを補足して、企業、ユーザー、我々で作っていこうと考えています」(けんすうさん)
- 「チャネルの内製化という意味では、自社で紙のメディアを作っているところも多くなってきている。外に任していないで自分でやっちゃえという発想。媒体が外にあると、15秒制限やルールの制約を受ける」(渡辺さん)
- 「ホンダは自社メディアを基準にしてキャンペーンの効果測定ができるように、Facebook等のソーシャルメディアも含め、すべて統一したポリシーでやっているらしい」(渡辺さん)
- 「TwitterやFacebookと自社メディアの違いは、自社メディアは効果測定がきちんとできることですよね」(清田)
また、ソーシャルメディアによって、人々のネットでの活動はどう変化したのかというテーマの中では、
- 「ソーシャルメディアによって、何らかの人間関係の上に成り立って、そこに巻き込まれていく、という形で活動が変わったのかなと思います。たとえばクックパッドはユーザーさんが発信しているが、人間関係の上に成り立っていないので、ソーシャルメディアと形が違う。」(けんすうさん)
- 「ソーシャルメディアによって情報の粒度と速度が変わって、今のブログの文体は昔と大きく違う。逆に旧来のメディアがその文体を倣っているような状態」(渡辺さん)
- 「これまでのメディアは「自己ウケ」だったのが、ソーシャルメディアで「他者ウケ」に変わってきているようだ」(けんすうさん)
- 「ソーシャルでは、釣り記事や過激なタイトルはアクセスが増えたり、話題になる。企業がそういうところをやったらいいかというと、そうではない。企業は誠実に対応して、ログ化して、残して、評価してもらう、という時代ではないか」(コグレさん)
さらに、ソーシャルメディアによって、自社メディアはどう変化したのかというテーマの中では、
- ソーシャルメディアによって、自社メディアはどう変化したのか「ソーシャルでは、釣り記事や過激なタイトルはアクセスが増えたり、話題になる。企業がそういうところをやったらいいかというと、そうではない。企業は誠実に対応して、ログ化して、残して、評価してもらう、という時代ではないか」(コグレさん)
- 「サントリーなんかはいい例で、ハデなことはやっていないが、初期の頃から誠実にコツコツやっているから、ソーシャルメディアの中でいいポジションを築いている」(コグレさん)
- 「特殊な方法論に飛ばず、企業が口語で発信することがポイントなのでは」(渡辺さん)
- 「期間限定でアカウントやブログを開き、うまくいったら継続する、という日産のやりかたはうまい」(コグさんレ)
- 「震災後は、テレビやマスで、原発など大きなサイズの情報ばかりだった。身の回りの情報へのニーズはより増えたのではないか。Twitterのようなものだと、無限にチャンネルがある」(渡辺さん)
- 「自社製品について書くnanapiは、昔は宣伝めいたものが多かったが、今は利用者目線にたった記事が増えていますね」(けんすうさん)
- 「nanapiは、自社サイトでは書きづらいことを書く、というニーズはある。たとえば某SNS の記事があるが、自社サイトで『嫌な友達の切り方』みたいな記事は書きにくい」(けんすうさん)
- 「ずっと使われていくようなものほど、利用者目線にたつやり方になっていきますよね」(渡辺さん)
- 「ネタフルも、昔は検索エンジン経由での流入が多かったが、いまはソーシャルメディアが増えている。流入経路を特定する意味で、Web解析は大事」(コグレさん)
- 「リアルタイムWeb解析はすごくやっている。Yahooから流入が来た時もすぐに気づける。これをWeb改善に活かしたほうがいい。」(コグレさん)
- 「情報の流れ方も変わってきている。たとえば市場動向なんかはソーシャルメディアでつながっている関係者のほうがレスポンスが速く、メディアのほうが遅い。ソーシャルのつながりから外に出て行かない、なんてこともあるのでは。」(渡辺さん)
- 「ブログやTwitterが出てきた時、企業がやるべきなのか、といわれたが、今や普通になった。なるべく早く対応を取ったほうがよい」(コグレさん)
- 「デマへの対応としても、企業が自社サイトで正しい情報を発信し続けるのが大事になる」(コグレさん)
- 「ソーシャルメディアによって、企業と個人が対等になっていて、言われっぱなしだった企業でもきちんと個人と意見を交換できる時代になってきている」(けんすうさん)
- 「むやみにソーシャルメディアに出れば出るほどいいか、というとそうではないので、これから利用をおさえる、といった動きも出てくるのではないか。」(渡辺さん)
と、数々の名言が飛び交うパネルディスカッションは好評で、もっと続けて欲しいと思いつつ、時間を惜しみながらの終了となりました。
そして懇親会
最後には同じ会場内で軽食とお飲み物を用意して、ささやかな懇親会を行いました。
短い時間ながら、ワイワイとビールを飲みつつ、お越しいただいたパートナーやユーザー等のみなさまと登壇者の交流が行われました。
Six Apart Day 2012 レポート記事
- ネットでテクノロジーを軸としたB2Bサービスを提供。海外展開も ―― 設立8周年のシックス・アパートが戦略発表イベント「Six Apart Day 2012」を開催 | Web担当者Forum
- Six Apart Day 2012参加レポート - The blog of H.Fujimoto