広報ブログ
シックス・アパートの広報より、社内のさまざまなトピックをお届けします。
地元のサイトは地元で作る! 青森県の高校生向けウェブ制作講習会レポート
こんにちは、事業開発と経営企画を担当している作村です。
この記事では、SAWS@青森プロジェクトの一環としてシックス・アパートが協力させていただいた、青森の商業高校で開催された「ウェブページ制作講習会」の模様をお伝えします。
新青森駅からタクシーで、日本最大級の縄文遺跡 三内丸山遺跡の横を通りすぎ20分ほど進むと、校舎とグラウンドが見えてきます。ここが目的地の青森県立青森商業高等学校です。昨年度移転・落成したばかりの新しい校舎です。
青森県立青森商業高等学校の校門
ピカピカな校舎。生徒さん達がうらやましいなあ。
「こんにちは!」と、すれ違う生徒さんたちが元気にあいさつしてくれました。
講習会の概要
この取り組みは青森県内の商業科の拠点校である青森県立青森商業高等学校が企画し、青森県教育委員会の「地域の産業とビジネスを支える人づくり事業」制度を活用して行われました。
今回、シックス・アパートにウェブページ制作講習会を依頼してくれた須藤(すとう)先生
須藤(すとう)先生によると「生徒たちは2日間の講習会で得た知識と技術を活用し、地元企業等と連携したウェブサイト制作に取り組みます」とのことです。
シックス・アパートが協力する講習会で高校生向けに2日間かけて実践的なウェブページ制作方法をレクチャー、その後、生徒の皆さんは地元企業のウェブサイトを実際に制作するそうです。講習会には、青森商業高校、弘前実業高校、八戸商業高校、三沢商業高校、黒石商業高校から計36人の生徒が集まってくださいました。
「商業高校はビジネスを学ぶ場です。マーケティングや電子商取引等に関する知識は授業でも学ぶことができますが、お客様の購買意欲を刺激するような魅力的なウェブサイトを制作・運用するとなれば、実社会での実践が必要になります。」(須藤先生)
マーケティングや電子商取引の教科書をみせてもらうと、情報システム系専門資格の参考書なみの情報量があることに驚きます。
「理科等の授業でも実験・検証が行われるように、商業教育においても教科書に書いてあることが本当なのか実験・検証を行ってみる必要があるのではないか。教科書をなぞって学習しただけでは実践力を身に付けることはできない。教科書と実務の世界が乖離している部分を少しでも埋めてあげることが、我々の役割だと思っています。」(須藤先生)
2日間の講義では、インターネットの基礎知識からHTML・CSSの学習、CMSの仕組みの理解、企業ウェブサイトに必須の情報など幅広くレクチャーします。
講師は、MovableType.net の製品企画マネージャー・早瀬(はやせ)が担当しました。前職でさまざまな規模・目的のサイト構築に携わってきた早瀬が、その経験を活かし、生徒の皆さんのために実践的かつわかりやすくお教えできるようがんばりました。
MovableType.net 製品企画マネージャー 早瀬
講義1日目
1日目は座学でウェブサイト制作の現場で実際に必要な知識を体系的に説明しました。いままでウェブサイトを使う側だった生徒たちは、ウェブサイトの裏側を知るたびに驚きの表情を浮かべる様子が印象的でした。
<講習1日目の内容>
- インターネットの歴史
- ソーシャルメディアに利用状況
- 情報発信するだけならSNSだけ運用すればいいんじゃない?
- 何のために企業はウェブサイトを作るの?
- 閲覧対象の環境を考える
- ウェブサイトのデザイン・レイアウトについて
- ウェブサイトを作る方法
- CMS MovableType.net を使ってみる
- サイト設計について
- 更新頻度・方法に合わせたページ構成
スライドの一部。基礎的な部分から、丁寧な説明を心がけました
講義2日目
2日目はハンズオン形式で実際に手を動かして学んでいただきました。1年生からタイピング練習をしている生徒さんたちは、いちど覚えた操作は驚くほど早くて正確です。HTMLとCSS、CMSのデザインテンプレート操作を学ぶことでウェブサイトの制作方法と運用方法を体感してもらいました。
<講習2日目の内容>
- HTMLの基礎知識
- ベーステーマを使って実際にドローン撮影会社のサイトを作ってみる
- カスタマイズしたデザインやコンテンツを雛形にする
- 新しいサイトで雛形を利用する方法
- テスト環境を作れる制作者向け評価ライセンス
- サポートコンテンツ
- 生きたサイトを運営する
- ECサイトを運営する方法
- 写真や動画などビジュアルで見せることの大切さ
- 場所を見せるには360度写真も有効
- セミナーまとめ
「わかりやすく伝える力」が、地元で活躍するカギになる
須藤先生に、この取り組みのねらいについて聞きました。
須藤先生「これからの時代は情報発信が重要であり、情報に付加価値をつけたり、商品の魅力をお客様にわかりやすく伝える力を身に付けることで、場所や時間に左右されることなく、地元で起業することも可能になると考えています」と話す。
須藤先生「HTMLやCSSの基本等については教科書で学ぶことができますが、教科書だけではリアルな実践にはなりません。教科書の内容と実務の世界とが乖離している実感があります。本物のビジネスの現場を知るプロの方からウェブサイトの制作・運用を学ばせたいという思いをずっと持っていました」
講習会に参加した生徒たちは、今年9月~10月より各商業高校の地元の企業等のウェブサイト制作に取り掛かるそうです。ウェブサイト制作を経験したことがある人であれば、それが一朝一夕に完了することではないことがわかります。将来的な構想も聞いてみました。
「ことし一年の取り組みで各商業高校がどれくらいの完成度のウェブサイトを制作できるかわかりませんが、年々精度を上げていきたいです。最終的には連携先の地元企業さん等に自社ドメインを取得していただき、ウェブサイトを実用化するところまで到達したいと考えています」(須藤先生)
知識学習だけでは終わらせない実践学習も組み合わせたプログラム
MovableType.net には作る楽しさがある
高校生のみなさんが作るウェブサイトの CMS として、 MovableType.net を選んだ理由を、企画立案者でもある須藤先生に伺いました。
須藤先生「限られた学習時間の中で生徒たちに指導することを考えた場合、サーバーを運用管理しなくてすむサービス型のCMSがよいと思いました」
「そして、MovableType.net を選んだ理由として、HTMLとCSSの編集の自由度があります。自分でも、Movable Type の参考書を購入して勉強しました。いつしかMTタグを活用してデザインテンプレートを自分で編集できるようになり、自分の意図するページを制作できる楽しさにCMSの魅力を感じました。2週間のトライアル期間では物足りなかったので、気が付くと正式ライセンスを購入していました(笑」
ウェブ制作を本格的にはじめるきっかけに
2日間の講師をつとめた早瀬は「ウェブ制作をこれから学び制作するみなさんに、1.5日合計8時間ほどでどういった内容を伝えられればいいか色々と考えました。限られた時間の中で、中途半端に技術的なことを話すのではなく、何のためにウェブサイトをつくるか?どういった作り方をすれば運用もしやすいサイトになるか?など一般的なことも含め、現場目線で話をしました。今回の講習会が、皆さんがウェブ制作を本格的にはじめるきっかけになったらうれしいです」と語る。
講習会後のアンケート集計結果を見ても、ウェブサイト構築への理解が高まったようです。この講習会が、生徒の皆さんの将来のお役に立てますように!
おわりに
講習の初日に地元新聞社の記者さんに取材にきていただきました。東奥日報社さんは8月25日朝刊の第4社会面でカラー写真付きで掲載していただき、デーリー東北さんも同日の朝刊に「県内商業高生、ウェブサイトの作成方法学ぶ」と題する記事を掲載していただきました。
MovableType.net からのメールを学校のメールシステムが受信できなかったり、教室のパソコンにインストールされているIE(インターネットエクスプローラー)の「ソース閲覧」機能がオフになっていたりと、小さなトラブルもありましたが、ウェブサイト制作とCMSの使い方に関する基礎的な内容を生徒のみなさんにご紹介できたと思います。
早瀬の趣味のドローンで、最後に記念の空撮
シックス・アパートはこれからも、これからの時代に場所を問わず活躍できる人材を育成するプロジェクトへの協力を続けていきます。
このような取り組みにご興味のある自治体、企業の皆さまは「お問い合わせ」フォームより、お気軽にご連絡ください。